2006年05月13日

これもまた一つのインド−−最近の3誌から

ニュートラル第7号僕が日頃よく目を通している雑誌などで、偶然にもインド関係の特集が最近よく組まれていました。僕の旅行とは全く違うインド、触れてみてはいかがですか。

一つは、このブログでおなじみの「NEUTRAL」第7号(白夜書房)。特集のタイトルは「美しきインドのこころ」。「河童が覗いたインド」の妹尾河童さんにインタビューしていたり、ピンク色の城壁で有名なジャイプールを取り上げたり、いつも通りに多彩な特集の組みっぷり。

肩の力が抜けた同誌らしく、インドの毒気はよい感じで抜けていました。タイトルのとおり「美しきインド」に触れたいあなたには好適です。

二つめは、20〜30代女性向けの文芸誌「papyrus」6月号(幻冬舎)。巻頭特集が「中谷美紀 インド、ゼロになる旅へ」。映画「嫌われ松子の一生」で主演を務めた中谷美紀さんが、撮影後になんと合計4回、のべ3カ月あまりにわたってインドで一人旅をされたのだそうです。続きを読む
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2006年05月07日

無事? 帰国いたしました。

本日夕刻、インドから香港で1泊し、日本に戻って参りました。

連日40度オーバーの気温には苦労しましたが、大人の旅のおかげか、一度も下痢せずに帰国できました。風邪も引いていません。よかったよかった。

ただ、7日間でコルカタ、バラナシ、アグラ、デリーの4都市と周辺を回るスケジュールは強行軍でした。インドの奥深さに浸り切れたかというとまだまだ。できればもう少し暑さが控えめの時期に、もっと長く滞在したかったなあ。

コメントをくださったみなさま、ありがとうございます。
後ほど返事をさせていただきます。
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2006年05月06日

インドの旅へようこそ!

タージマハール 齢三十にして、初めてインドの大地に下り立ちました。

 今回の旅行の大きな目的は、有名なタージ・マハールをこの目に焼き付けてくること。この壮大な墓標は、中央アジアのティムール帝国とペルシャのサファヴィー朝の建築様式が融合して完成したもの。シルクロードの名所各地を訪れるのが好きな僕にとって、タージ・マハールはその集大成とも言える存在なのです。

ガンジス川の日の出 とは言え、タージを眺めることが旅のすべてではありません。

 例えばヒンドゥー教最大の聖地バラナシでは、沐浴で有名なガンジス川から昇る太陽を眺めました。




ひょんなことから民家におじゃましたり… ひょんなことから、インド人の民家におじゃまもしました。

 いいことばかりではなく、行く先々で言葉巧みにインド人に騙されもしました。でも時には片言のアラビア語を駆使するなどの「反撃」で、逆にインド人を戸惑わせもしました(笑)



デリーで食べたマトンマサラとナン そしてもちろん、忘れてはならないのが本場のインドカレー。これをお腹に収めてくることも大切な目的でした。

 酷暑の中でのわずか1週間の旅程。慣れないうちに帰らなければならなかったという思いが強いですが、かいつまんで報告させていただきまーす。




【リンク一覧】
■4月29日
(1)最初の難関は空港からの脱出
(2)町そのものが見所−−コルカタ1
(3)寺院で“有り金”の寄付を迫られる−−コルカタ2
(4)おまけ Radhuni Restaurant(インド:コルカタ)

■4月30日
(1)「大宮公園のミュージアム、知ってる?」−−コルカタ3
(2)おまけ Prince Restaurant(インド:コルカタ)
(3)“20世紀のタージ・マハール”にご挨拶−−コルカタ4
(4)おまけ FOOD PLAZA(インド:コルカタ)

■5月1日
(1)客引きが勧める宿の実態はこんなもん−−バラナシ1
(2)モチツモタレツ−−バラナシ2
(3)おまけ GANGA FUJI RESTAURANT(インド:バラナシ)
(4)ガンジス川に抱かれる−−バラナシ3
(5)おまけ SAI KRIPA Guest House(インド:バラナシ)

■5月2日
(1)難敵ラヴィあらわる−−サールナート1
(2)インド人の英語力に疑念を抱く−−サールナート2
(3)ラヴィ、日本のお札をチップに要求−−サールナート3
(4)ラヴィの自宅に連行される−−サールナート4
(5)最後の決戦−−サールナート5
(6)おまけ 店名不明(インド:バラナシ)

■5月3日
(1)牛肉を使わない“ビッグマック”を喰らう−−デリー1
(2)快適さと物足りなさと−−デリー2
(3)おまけ Malhotra Dosa Please(インド:デリー)

■5月4日
(1)いよいよタージ・マハールを目指す−−アグラ1
(2)侘び寂びを知らない子供たちに説教する−−アグラ2
(3)ムガルの隆盛と零落の象徴、タージ・マハール−−アグラ3
(4)私はアラビア語を話す仏教徒のシンガポール人−−アグラ4
(5)おまけ Shankara Vegis(インド:アグラ)

■5月5日
(1)モデルばあちゃん−−デリー3
(2)おまけ Gem(インド:デリー)
(3)さようならインド、またいつか−−デリー4
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2006年05月05日

さようならインド、またいつか−−デリー4

道ばたで買った、へたうまガネーシャのクロス「最終バス、いくらなんでも早すぎるだろう」

午後9時、友人知人やシノギのお仲間向けにおみやげを買い込んだ僕は、コンノート・プレイスの一角からバスに空港へ向かう乗り込んだ。僕のほかには、やはりゴールデン・ウイークを最大限使った日本人旅行者が数人、それに陽気なオランダ人男性ら。そのほとんどが冒頭の言葉を発していた。

というのもオランダ人男性が午前3時台の出発、僕を含むキャセイパシフィック航空利用者は午前7時発なのだ。ところがインフラの整備が素晴らしいインドだけあって、深夜早朝にはリムジンバスなど存在しない。旅行者に不便な場所から発着する一般バスか、今ひとつ信用できない深夜タクシーを利用しない限り、午後9時が最終バスになってしまうのだ。

さらにインドらしく、バスに乗り込んだ後も安心させてくれなかった。途中でいきなり降車を命じられたんである。運転手曰く、「壊れちゃったみたいだから、別のバスにする」…。かれこれ10数回旅行した身だけれど、この手の空港バスを途中で乗り継いだ経験は初めてだ。続きを読む
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おまけインド9 Gem(デリー)

マトンマサラとナンGem

1050 Main Bazar, Pahar Ganji

Tel:+91-(0)11-23584243

予算:50ルピー(約130円)くらい〜
味 :★★★☆
辛さ:★★★☆
量 :★★★☆


フマユーン廟の観光を終えた僕は、午後2時過ぎに安宿街のあるニューデリー駅近辺まで戻ってきた。安宿に荷物を置く場所を確保すると、近くのレストランへ入った。地球の迷い方にも載っているGemというレストランである。インド最後のカレーをいただくためだ。

迷い方は「インドにしては珍しくしゃれた感じ」と紹介していた。しかーし。この雰囲気が「しゃれた感じ」なのか…(^_^;) 大きなモニターを設置してビデオを流しているあたりのことを言っているのかな。まあいいや。

ずっと野菜カレーばかり食べてきたけれど、最後くらい豪勢に肉のカレーにしようか。そう思った僕は、「マトンマサラ」(75ルピー)にナン(10ルピー)、塩味のラッシー(20ルピー)、それに1リットルのミネラル・ウォーター(15ルピー)を注文した。

待っている間にインド名物の停電が発生。その後はモニターで映像を流すのをやめてしまった。ますます「しゃれた感じ」がなくなったな(笑) なあんて思っているところに、お待ちかねのカレーやナンがやってきましたよ。続きを読む
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モデルばあちゃん−−デリー3

フマユーン廟インド人と丁々発止のやり取りを繰り広げてきた旅もいよいよ終わりが近づいてきた。早朝6時、僕はアグラ鉄道駅からデリーへと戻る列車に乗り込んだ。翌日の朝にはインドを発たなければならない。

行きのSHATABDI EXPRESSとは違う庶民向け列車に乗った。所用時間は倍近くかかり、軽食も出てこない。およそ便利とは言いがたいけれど、これが標準的なインドの鉄道の旅なんだろう。

4時間ほど揺られてデリー市内に戻ってきた。ただし、乗った列車は旅行者が最も利用するであろうニューデリー駅まで行ってくれず、南東部に位置するニザム・ウッディーン駅が終着駅だった。僕はこれを逆用して、ニザム駅から直線距離で1kmほどのフマユーン廟を訪れようと決めていた。フマユーン廟はムガル帝国第2代皇帝の墓。ユネスコが1993年に世界遺産に登録している。

お墓■撮影スポットを提案するばあちゃんに出会う■

サイクル・リクシャーに乗ること数分、フマユーン廟に到着した。入場料5ドルを払い、敷地内に足を踏み入れる。

軽く数百メートル四方はある広大な庭園の中央に、褐色の対称形の建造物がどっしりと構えていた。これが廟か。規模や荘厳さではタージ・マハールにかなわないけれど、雄々しさが全面から伝わってくる。

ドーム内にも入ってみた。中央には大理石のお墓が置かれていた。と、そのそばにインド人のばあちゃんがいた。彼女は手招きし、ドーム内の窓際に行くよう僕を促した。そこまで僕が行くと、「敷地の入口方面の写真を撮影したらどうか?」と、身振り手振りで提案してきたのだった。

言われるままに撮影したら、後でバクシーシ(喜捨)を要求されることは確実だ。でも、僕は妙に気に入ってしまった。「自分がモデルになってやるから撮れ、それからバクシーシくれ」といったよくある傲慢な主張とは違い、「景色を撮れ」というちょっとした工夫を感じたからだ。

そこで僕は、「ばあちゃん、モデルになってくれまいか」と交渉を開始した。代金はポケットに入っていた全額と考えていた。取り出してみると、6ルピーしかない。これは交渉が大変かもしれないな(^_^;)続きを読む
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2006年05月04日

おまけインド8 Shankara Vegis(アグラ)

ターリーShankara Vegis

Chowk Kaghzi, Taj Ganj

Tel:+91-(0)562-2331384

予算:45ルピー(約117円)くらい〜
味 :★★★☆
辛さ:★★☆
量 :★★★★


日暮れのタージ・マハールを眺めたくなった僕は、旧市街のレストランで夕食を摂ることにした。選んだのは「インドで一番おいしいラッシーを出す」と日本語や韓国語で豪語しているShankara Vegis。「地球の迷い方」に載っていたお店である。

近隣で一番背が高いレストランだからタージが見える」とも主張していたので、屋上に上がらせてもらった。ところがこれは誇大広告だった。確かに近隣で一番背が高いレストランだった。でも、目の前にはもっと高い、レストランではない建物が立ちふさがっていた。タージが見えるのは隅の席だけ、それもかろうじてなのだった(-_-;)

屋上から眺めるタージその隅の席を確保し、気を取り直して注文する。お店のスペシャルという「バナナラッシー」(30ルピー)に「ミネラルウォーター」(15ルピー)、それと「ターリー」(45ルピー)だ。

日が沈んでいく過程のタージを、体をそらしつつ撮影する。しかし美しくないなあ。写真でよく見かけるような紫がかった夕闇は訪れず、ただ単に薄暗くなってゆく…。しかも中途半端にしか見えない場所だし。無念だ。

などと心の中でぼやいている合間に、ラッシーとターリーがやってきた。いただくとしましょうか。続きを読む
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私はアラビア語を話す仏教徒のシンガポール人−−アグラ4

ファテープル・スィークリーのブランド門アグラから、庶民向けのおんぼろバスに揺られること1時間あまり。ファテープル・スィークリーと呼ばれる場所に僕は下り立った。ムガル帝国第3代皇帝アクバル大帝が、後に第4代皇帝ジャハンギールとなる男児を授かったことにあやかって作った都の跡地だそうな。1986年に世界遺産に登録されている。

水不足が原因でわずか14年で打ち捨てられた広大な都。その跡地がほぼ残っていて見ごたえがある…と書きたいのだけど、インドの人々はそんな優雅な観光を許してくれない。

巨大なブランド門をくぐりぬけ、モスク地区に足を踏み入れた途端に「ハロー!! ジャパニ!! フレンド!!」…。案の定、物乞いチルドレンが取り囲んできた。

しかもここでは、ティーンエイジャーも話しかけてきてはいろいろと要求してきた。少し賢くなっている分、タチが悪い。半ば引きずるようにしつつ逃げ回ったため、落ち着いて観光できやしない。

ろくに観光できないまま疲れてしまった僕は、モスク内の一角、聖者サリーム・チシュティー廟の脇に腰を下ろし、水を飲むことくらいしかできなかった。しかし、ここでも好奇心旺盛な子供が二人。「フレンド!! マネー!!」…。あー鬱陶しい。これに対抗するために、僕もあいさつを返すことにした。続きを読む
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ムガルの隆盛と零落の象徴、タージ・マハール−−アグラ3

タージ・マハール今回のインド観光のハイライトはタージ・マハールをおいてほかにない。最盛期のムガル皇帝が贅の限りを尽くして築き上げた愛妃の廟。その白く輝く対称形の姿を眺めると、すれまくったアグラの人々との戦いなど、しばし忘れてしまう。

5ドル+500ルピー(合計で約1900円)という外国人向け観光料金は不当に高い。でも、行って後悔する人はいないと思う。

絵心がない僕には、タージの美しさを形容するのは難しい。代わりに少し固い内容で、少し違う視点からタージにまつわる話を語ってみたい(自己満足型の文章になるので、普段より少し大きい写真だけごらんになってスルーしていただければ幸いです)。

タージは日本や中国の運命までも大きく変えた

タージ・マハールは、ムガル帝国の第5代皇帝シャー・ジャハンが愛妃ムムターズ・マハルの死を悼んで築いた廟だ。完成までに22年、途方もない費用をかけて築かれた57m四方の廟が、その後のムガル帝国、いや日本や中国の運命までも変えたように思う。シャー・ジャハンが、廟の建築にうつつを抜かし、皇帝として大事な作業を一つ怠ったからだ。

怠った作業とは、後継を決めておくこと。自身も父の死後に兄弟と争って帝位を確保した身だから、同じ形態でも構わないと思っていたのかもしれない。しかしこれが、後の帝国に不幸をもたらした。

シャー・ジャハンが後継を定めないまま病に倒れてしまったのだ。この報を聞きつけ、助からないと思いこんだ息子たちが勝手に争いを始めた。勝ち抜いたのはアウラングゼーブ。シャー・ジャハンが「祈る人」とからかったほど敬虔なイスラム教徒だった。

アウラングゼーブは奇跡的に回復した父親を幽閉してしまう。失意のシャー・ジャハンはタージの完成からわずか5年で帝位を失うと、数年して寿命を終える。

馬鹿げた政策を繰り返す「原理主義者」が後継に

アウラングゼーブは今の言葉で言うところの原理主義者だった。異教徒に対して過酷な、そしてインドを支配する立場としてはあまりに馬鹿げた政策を次々と打ち出していく。続きを読む
posted by たあぼう at 10:45 | Comment(2) | TrackBack(0) | インド旅行

侘び寂びを知らない子供たちに説教する−−アグラ2

アグラ城から眺めるタージ・マハール「いいかおまえら、お客様からお金を頂戴したいならもっと工夫ってやつが必要だ。振る舞いに侘び寂びを感じさせろ。それが無理ならせめて笑いを取る努力を見せるんだ!」

アグラの町中では、至る所でガキど…子供たちがまとわりついてきた。彼らが僕に求めてくることは、シンプルかつワンパターンだ。まずは「金(かね)をくれ」、くれない相手には続けて「チョコレートくれ」である。

物乞い式“起承転結”

要求方法も要求内容と同様にワンパターン。カモとおぼしき外国人観光客を見つけると、集団でワアーッと寄ってくる。客を捕まえるとたいてい以下の順番で言う。

「ハロー!!」
「ジャパニ!!」
「フレンド!!」
「マネー!!」
(その後、ハロー以外の3単語が延々と続く)

最後まで言い終わるのに1分とかからない。「困窮する物乞い」っぽい暗さがなければ、面白みも全くない。こちらからどうやって金を取ろうかという工夫心も感じられない。そんなのが何度も続いたせいで、冒頭の大人げない発言になってしまったのだった。

日本語で言ったから通じるはずはない。ところが「マネー!!」の声が一瞬やんだ。おや?と思ったのも束の間、「フレンド、チョコリ!!」(チョコレート)。…結局これかい(-_-;)

もっとも、子供は親の背中を見て育つもの。大人たちの観光客に対する態度がまたひどいから、しょうがないのかもしれない。続きを読む
posted by たあぼう at 09:30 | Comment(2) | TrackBack(0) | インド旅行

いよいよタージ・マハールを目指す−−アグラ1

シャタブディ・エクスプレスで出た軽食インドにしては平穏な1日を過ごせた翌朝5時過ぎ、僕は再びニューデリー駅にやってきた。今回の旅行のハイライトであるタージ・マハールを拝むべく、アグラ行きの特急に乗りに来たのだ。

僕が乗った「SHATABDI EXPRESS」は早朝6時発。利便性の高い時間帯と思えないけれど、それでも人気があるらしい。前日の朝8時に僕がチケットを買い求めた際には、「Oh! You are lucky.」と職員に言われた。その時点での最後の1枚だったからだ(後からキャンセルが出る可能性はあると思うけれど)。

いざ乗車すると、なるほど人気の理由がわかってきた。冷房が効くのはもちろん、他の列車と比べて座席が立派なようだ。時刻表もかなり正確で、ニューデリー−アグラ間が2時間弱。これは別の特急よりも2時間ほど早い。この点だけで、他の特急より100ルピー以上高い370ルピーという値段にも納得してしまった。

さらに驚いたのは、軽食とミネラル・ウォーターが付いてきたこと。食事は食パンやスパイシーなポテトの揚げ物が出てきた。バターやジャム、さらに食後の紅茶も付いてくる。乗車している時間帯が朝食時に重なっているから、この軽い心遣い型のサービスが本当に嬉しかった。

フランス人女性旅行者の集団のおしゃべりをBGMに、軽食をありがたくいただき終えると、程なくしてアグラ駅に到着した。あまりに順調すぎて物足りないな。

…などと思っていた僕は幸せでした。

アグラの人々の擦れっぷりは、「僕は今インドの観光地を旅しているんだ」と思い出させるのにあまりに十分すぎる効果があったのだった。(続く)
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2006年05月03日

おまけインド7 Malhotra Dosa Please(デリー)

スナック・ターリーMalhotra Dosa Please

1837-38, L.N. Street, Opp.Imperial Cinema,
Chuna Mandi,Pahar Ganj, New Delhi-55

Tel:+91-(0)11-41698500

予算:50ルピー(約130円)くらい〜
味 :★★★★
辛さ:★★☆
量 :★★★★


泊まった安宿からニューデリー駅とは反対方向に5〜6分ほど歩いたところに、南インド料理専門店を見つけた。北インドの旅行とは言え、一軒くらい南インドのカレーを食べてもいいだろう。

さすがは本場インドの専門店、ドーサ(お米のクレープ)だけで10種類ぐらいある。お値段は30〜60ルピーほど。これらは魅力的だったけれど、もう少しいろいろな種類の南インド料理も食べたいなと。

そこで僕が選んだのは、定食型メニューの「Snacks Thali」(72ルピー)。ハーフ・サイズのマサラ・ドーサに、ラッサム(トマト・スープ)、イドゥリ(蒸しパン)、ワダ(ドーナツ)、ウップマ(練り物)に3種のチャツネ、デザートとひと通り食べられる。

1リットルのミネラル・ウォーター(16ルピー)を一緒に注文して料理の到着を待った。店内には家族連れのインド人の姿もある。これは旅行者向けレストラン以上の味が期待できるかな?続きを読む
posted by たあぼう at 19:30 | Comment(2) | TrackBack(0) | 海外

快適さと物足りなさと−−デリー2

ラール・キラーの柱しつこくつきまとう客引き、リクシャーの渋滞と騒音、あふれんばかりの人々−−。初めてのインド旅行で下り立った街がデリーだとしたら、きっとその光景にカルチャー・ショックを受けるに違いない。

ところがコルカタ、バラナシと歩いてきた僕の印象は全く違うものになった。「おお、意外とまともに観光できる。いい街じゃないの!!」。インドももう5日目、日本人としての「まともな感覚」が狂ってきたのかな。

■「客引きがしつこくない」だけで感動■

でも実際、観光や事務処理がスムーズに進んだと思う。鉄道駅の切符売り場までの道で通せんぼされなかったし、安宿が集まるパハール・ガンジで出会った客引きたちはすべて簡単に振り切れた。バラナシやコルカタで苦労したのが懐かしい。

朽ちかけの建家が頑張るオールド・デリーの街並みは、不潔と思う人がいるかもしれない。でもコルカタの街並みを見た身には「まあ普通だよね」という程度。むやみに話しかけてくるインド人ともほとんど出会わず、ムガル皇帝の居城であるラール・キラー内部はゆったりと見学できた。

あ、複数の客引きに声をかけられるだけで面倒な話だよなあ。それがほんの数日インドにいるだけで、「客引きがしつこくないよ!!」と感動するまでに変わる。謙虚な心を手に入れたければ、インド旅行はおすすめです。

■リクシャーの天敵、地下鉄が中心部まで開通■

実は、観光が割と快調にこなせた要因はもう一つある。オートリクシャーを使わずに、オールド・デリーに出かけられるようになったことだ。市街の中心部に地下鉄が開通したんである。続きを読む
posted by たあぼう at 16:00 | Comment(2) | TrackBack(1) | インド旅行

牛肉を使わない“ビッグマック”を喰らう−−デリー1

マハラジャ・チキン・マックカレーでお腹を満たした僕は、バラナシの鉄道駅に移動した。特急「SHIV GANGA EXPRESS」に乗ってデリーを目指すためだ。

■爆破テロのせい?で違うホームから特急が発車■

例によってオトナの旅と言い訳しつつ、房付き1等寝台に乗り込む。コルカタ−バラナシ間の「AMRITSAR MAIL」よりも車両が豪華だ。観光客が多用する路線だからかな?

でも、浮かれた気分にはなれなかった。3月にこのSHIV GANGA EXPRESSで爆破テロが発生したからだ。特急が本来発車するはずの1番ホームが壊れていて修復中だったのもそのせいだろう。亡くなった20人以上の方の冥福を祈るとともに、自分の身に降りかからないことを密かに祈った。

幸いにも、特急は20分ほど遅れただけでニューデリー駅に無事到着した。あっという間に感じた。テロを怖がっていたくせに、冷房のおかげでさっさと深い眠りに落ちたからだ。あ、おすすめしない宿のせいでほとんど寝ていなかったせいと言い訳しておこう。

ニューデリー駅で翌日のアグラ行きのチケットを購入し、その後は安宿街へ出向いて冷房付きの部屋を確保。さらに両替も済ませた。

事務的な処理を終えると、デリーでやろうと決めていたことを実行に移した。といっても大した話じゃありません。マクドナルドに行ってインド版“ビッグマック”を食べてみようというものだ。続きを読む
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2006年05月02日

おまけインド6 店名不明(バラナシ)

パニール・マタール・マサラ店名不明
(控えてくるのを忘れました…)

予算:40ルピー(約104円)くらい〜
味 :★★★☆
辛さ:★★★★
量 :★★★


ラヴィとの戦いの興奮が冷めやらぬうちに、同宿の日本人の方に「もしよかったら近場で一緒に昼ごはんどうですか?」とお誘いいただいた。もしかしたら気を遣ってもらったのかもしれない。

もっとも、おすすめしない宿の近辺は適当な食事の場所がない。目抜き通りに出て十数分ほど歩くと、旅行者向きのレストランがあったのを覚えていた僕は、そこに同宿の方をいざなった。十数分も歩いて近場かは分からないけれど。

旅行者向きと思ったのは、インターネット・カフェを兼業していたり、店の入口で洋食メニューがあることをアピールしていたりしたから。入ってみるとやはり旅行者向きで、例えばビールを数種類そろえていた。キングフィッシャーなどである。

同宿の方が「飲む」と力強く表明されたので、ご相伴に預かることにした。キングフィッシャーのお値段は、日本の大瓶くらいの大きさで税込み78ルピー。インドの物価からするとかなり高い。大半のインド人はビールを飲まないし、外国人向け料金とすればこんなものかもしれないけれど。

一緒にカレーも注文する。「Paneer Mutter Masala」(40ルピー)である。チャパティ(1枚3ルピー)は2枚注文した。いただくとしましょうか。続きを読む
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最後の決戦−−サールナート5

ラヴィ一家のみなさん、さようならラヴィ時間の10分はずいぶんと長い。12時過ぎに到着したはずなのに、腕時計を見れば今や14時近い。夕方にバラナシを発つ身としては、そろそろホテルに戻らないと不安である。なにせインドという場所は、途中で何が起こるか分からないし、何があっても文句を言えない。

■餞別は山盛りのポテトチップ■

「今日バラナシを出なくちゃならないから、おいとまするよ」と一家に告げる。ラヴィは引き延ばし工作を図ってきた。「あと5分」などと言っては、近所にたむろっている「Best Friend」との接見を繰り返す。その数、10人ではきかない。ずいぶんbestがいるもんだ。

いい加減相手する気がしなくなり、オートリクシャーに座って動かないことにした。ようやくラヴィはあきらめた…かと思ったら、今度はラヴィのお母さんが何か言っている。

「ポテトチップ、良かったら持っていかないかい?」

ということらしい。うぅ、これは断りにくい。さっき、かなり大げさに喜んでみせたからに違いないのだ(いや、本当に美味しかったけど十分に量を堪能したんだよな…)。しばし待って、ありがたく揚げたてを頂戴することに。

その量がまたすごかった。できがよいのだけを選別していたのに、ちょっとした買い物袋くらいの大きさの分量をいただいてしまったんである。こりゃ、晩ご飯はいらないな…。続きを読む
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ラヴィの自宅に連行される−−サールナート4

ラヴィとお姉さんたち、お姉さんの子供どうやらラヴィは僕の要求を全く聞いていないらしかった。

「さて、サールナート見学は終わった。次に俺は俺の家に行って休む

なんで雇い主の意向を無視して、あんたが途中で休むのよ(今になって思えば、僕が「俺は」という意味で把握した「I」は、ラヴィ英語だから「君は」の意味だったのかもしれない。どっちにしろ僕の意向を無視しているのは変わりないけど)。

「時間ないんだけど」と僕が不機嫌そうに言うと、ラヴィは怒り出した。「10分だけだ!!」 あぁ、分かった分かった。行けばいいんだろ。民家をかいま見られる貴重な機会かも、と思い直し、自分を納得させた。

■ラヴィ一家に出迎えられる■

オートリクシャーは幹線を離れ、脇道に入り込んでいった。道々にたたずむ人間やら牛さんたちやらをかわすこと10分あまり、ラヴィの自宅にたどり着いたようだ。

案内されるままに敷地に入る。ラヴィのお母さん、お姉さん二人(ほんとは三人いるそうだけど、一人は結婚した旦那さんの家に行っているとのこと)とお姉さんの息子(とその友達?)が出迎えてくれた。

ラヴィがお母さんたちを相手に誇らしげにしゃべっている。「日本人を連れてきたぞ」とでも語っているんだろうか。こうして10分という最初の約束はあっさりと有名無実のものとなり、一家の歓待を受ける立場になった。続きを読む
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ラヴィ、日本のお札をチップに要求−−サールナート3

サールナートの日本寺(法華宗)ストゥーパ(卒塔婆)の敷地を離れ、インドでは珍しいという日本式のお寺へ移動するためにリクシャーに乗った。だが、ラヴィがまっすぐ行ってくれるはずはない。やはり4人ほどの集団がいるところに途中停車して彼は言った。「This is My Friend.」 複数形がどうのという突っ込みは面倒なので言ってない。

ラヴィはどっかと椅子に腰掛けると、僕にも座るよう指示してきた。指示されたとおり腰掛けると、どこからともなく子供が出現。赤茶けた小さな器――日干し煉瓦か何かの器だろうか――に褐色の液体を入れ、僕を含む集団のところに持ってきた。そう、僕がインドで初めて飲むチャイだ。

ありがたくいただいた。予想したとおり無駄に甘く、乳の香りも強い。日本のインド料理店では味わえないくどさだ。でも、睡眠不足かつ朝食抜きで昼近くまで観光して疲労した体には、このくどさが意外なほど心地よい。勧められるままお代わりもした。

■みやげもの屋より必死に売り込んでくるラヴィ■

ただし、チャイを出してくれたのは相応の下心があるから。ラヴィの「友達」は、シルクなどを扱うみやげもの屋なのだ。

「デリーは物価が高い。ここならシルク製品が200〜300ルピー(約520〜780円)で買えるんだぞ。君の女友達に買ってやれ」

当のみやげもの屋たちよりも、ラヴィが積極的に勧めてくる。もちろん僕は取り合わない。ラヴィは半ば怒った顔になって次の商材を勧めてきた。

「エスカールフはどうだ?」

なんじゃそりゃ? 僕が目を点にして再確認を求めると、ラヴィは「エスカールフったらエスカールフなんだ」と怒り出した。もうこれは想像力をありったけ働かせるしかなさそうだ。

1分ほどの検討した結果、スカーフじゃないかと思い至った。「スカーフ?」と聞くと、うなずく。なんでこっちの発音が通じるのに、あっちの発音はエスカールフなんだろう? 謎は深まるばかりだが、とにかく買わないの一点張りでその場を切り抜けた。あー、ようやく日本寺か…。この間、30分以上が経過していた。続きを読む
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インド人の英語力に疑念を抱く−−サールナート2

サールナートの卒塔婆イギリスの植民地だった歴史の影響などから、英語はインドの公用語の一つ。だからよく通じる−−

という話を僕は鵜呑みにしていた。ところが、「実はそうでもないのでは?」という疑念が急速に頭にもたげてきた。サールナート行きの途中で運転手になったラヴィの様子を見てからだ。

■「I」は「You」、「This」は「Your」■

ラヴィは根はいいやつらしかった。ところどころで駄菓子を買うために停車はしたけれど、それ以外の時間は運転してくれた。さらに運転中は後部座席の方ばかりを向いて、僕にいろいろなことを一生懸命話しかけてくれた。

ところが残念なことに、話の内容をほとんど理解できなかった。

これは聞き手にも問題がある。あまりの英語力のなさにカナダのカジノのディーラーを怒らせた人間だし、一般に英語が苦手とされるイラン人に「なんでそんな英語力で旅行ができるんだ?」と不思議がられた人間だから。

でも、それを差し引いても彼の英語は難しかったと思う。いろいろ検証した結果、どうやら「I」には「I」と「You」の両方の意味があること、また「This」は「Your」の意味も持つことが分かってきた。ついでに「Potato」が「Aloo」になるなど、時折ヒンディー語?が混じるらしかった。

結局、「俺にはガールフレンドが二人いるんだ」と、照れくさそうにしながら自慢していたこと以外、ほとんど記憶に残らなかった。適当に相づちを打っていたら、彼は調子よく話し続けていた。

■ラヴィ、ガイドに名乗り■

午前10時を少し回ったところで、サールナートの寺院前に到着。30分足らずで付くはずが40分あまりになったけれど、まあいいだろう。入口付近にいる自称ガイドは軽く振りきって、さて気楽に観光しようか…

と思ったら、ラヴィが付いてきた。彼は言う。

「This problem is my problem.」

ガイドがいないんじゃ君は観光しにくいだろう。君の問題は俺の問題だ、俺がガイドしてやると言いたいらしい。いや、別にガイドしてくれなくていいんだけど…と僕が言って、引き下がってくれないのがインド人。「遠慮するな」と言われるだけだった。続きを読む
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難敵ラヴィあらわる−−サールナート1

ガンジス川の上に日が昇っていくおすすめしない宿でも役立つことはある。

・騒音と熱風ばかり吹き付けるエアクール、
・エアクールの稼働さえ止めてしまう度重なる停電、
・自家発電装置のモーターの騒音…

これらの影響でろくに眠れない夜をすごした僕は、朝5時にぱっちりと目を開けていた。おかげでガンジス川に繰り出し、日の出を拝めたんである。

■リクシャーとの交渉のコツは交渉を打ち切ること■

それから2時間後。お釈迦様が最初に説法した地というサールナートに訪れようと思い立った。バラナシからは車で30分ほどの距離だそう。

鉄道駅近くからミニバスが出ているらしい。しかし、遠く離れた我が宿から駅まで出向くのはそれだけで骨が折れる。ここは高く付くけれど、オートリクシャーで行くとしようか。

宿のチェックアウトを済ませていると、宿の職員とおぼしきインド人2人組が声をかけてきた。「これからどこに行くんだ?」と聞かれ、うっかり正直に「サールナート」と答えてしまった。

すると連中は「俺たちのオートリクシャーで行け。インド人プライス(注:もちろん大嘘)にしてやる。400ルピー(約1440円)だ」。こんな感じでレセプションに堂々と居座っているリクシャー運転手は結構いるようなのでご注意を。

「ま、どのみちリクシャー使おうとしていたからいいか」と交渉してみたものの、連中は値下げに応じない。200ルピーも出せば十分のはずなのに。300ルピーでもうなずかないので、交渉を打ち切って外に出た。

するとものの5秒もしないうちに「Wait!」と声がかかってきた。300ルピーで構わないと言う。そりゃそうだよな、300でも明らかに僕は多く出しているはずだから。インドでの料金交渉は、いったん打ち切ってからが勝負かもしれない。続きを読む
posted by たあぼう at 10:00 | Comment(4) | TrackBack(0) | インド旅行

2006年05月01日

おまけインド5 SAI KRIPA Guest House(バラナシ)

ダム・アル・バラナシとチャパティSAI KRIPA Guest House のレストラン

B.3/226, Shivala, Near Cheat Singh Fort

Tel:+91-542-2276854

予算:40ルピー(約104円)くらい〜
(サービス料10%別)
味 :★★★☆
辛さ:★★☆
量 :★★★


おすすめしないホテルの上階にあるレストランで、晩ご飯をいただいた。屋上で食事ができるため、少し開放的な気分になれるのが最大のメリット。あまり涼しくはないけれど。

店員が威勢良く「ビールもあるぜ」と言いながらメニューを渡してくれた。しかしビールを飲む気分ではなかった僕は、「Dam Aloo Banaras」(40ルピー)というカレーとチャパティを2枚(8ルピー)、リンゴ入りラッシー(25ルピー)を注文した。カレーはBanaras、つまりバラナシの名が入っているのが気に入って選んだ。

すると店員の表情が激しく不機嫌に変わった。曰く、「おまえはチキンを食べたそうな顔をしている。タンドリー・チキンを注文しろ」。なんで客が食べるものを指図されるのよ? ここでも1分ほど押し問答をして、最初の注文通りで決着。

ところがここからが長かった。待てど暮らせど出てこない。ラッシーが出るまでに30分、カレーとチャパティにさらに30分。一瞬、意趣返しかと思ったけれど、ほかのお客さんも同じように待たされていた。これもまたインドと思って受け入れるほかないらしい。

ようやく晩ご飯にありつけたのは夜9時を過ぎてから。長かった〜。続きを読む
posted by たあぼう at 20:15 | Comment(4) | TrackBack(0) | 海外

ガンジス川に抱かれる−−バラナシ3

ガンジス川対岸四方八方から話しかけられて観光できないバラナシだが、せめてガンジス川とは触れあっておきたい。そう思った僕は、日が沈みつつある18時頃、夕刻に川へ繰り出した。

早速、「カモが到来」とばかりにインド人オヤジが声をかけてきた。交渉下手な僕は術中にはまり、あえなく1時間150ルピー(約390円)という割高料金で乗船する羽目になった。とほほ。

例のごとくジーンズの前ポケットに入れていたお金は160ルピー。オヤジに渡す分を差し引くと10ルピーしか残らない。あいにく財布にも手持ちのルピーを切らしていた。だから後から「ガンジス川にお供えする花を買ってくれ」と求めてきたお婆さんには、10ルピーしか払えなかった。

10ルピーを受け取ったお婆さん、「20ルピーだぁぁ」(ヒンディー語を推測)とわめき出した。僕はお婆さんに「ごめん。手元資金が尽きた。恨むなら先にぼったオヤジを恨んでくれ」と日本語で釈明。するとオヤジは感づいたか、わめき続けるお婆さんに構わず櫂をこぎ出した。ボートはあっという間にお婆さんを置き去りにして川の中央へ。続きを読む
posted by たあぼう at 18:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | インド旅行

おまけインド4 GANGA FUJI RESTAURANT(バラナシ)

ベジタブル・ビリヤニGANGA FUJI RESTAURANT

予算:45ルピー(約120円)くらい〜
味 :★★★☆
辛さ:★★★
量 :★★★☆


しつこく付きまとってくるインド人日本語使いをかわすため、やむを得ず緊急避難措置で飛び込んだのがGANGA FUJI RESTAURANTだった。外国人旅行者向けのお店で、チョウメン(炒麺)という中華風焼きそばや洋食、簡単な日本食も用意していた。僕はもちろんインド料理を注文するけれど。

メニューを眺める。うっ、コルカタに比べて高いなぁ。カレーとチャパティでほとんどが50ルピーを超えちゃうじゃないか(もっとも、これはコルカタが安いというべきらしい。デリーやアグラの店と比べれば標準的な値段だった)。

迷った挙げ句、インド風焼きめし「ベジタブル・ビリヤニ」(40ルピー)と「レモンラッシー」(20ルピー)を注文。出てくるのに多少時間はかかったけれど、インドではこれも標準的な待ち時間の範囲だろう。いただきます。続きを読む
posted by たあぼう at 14:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 海外

モチツモタレツ−−バラナシ2

日暮れ時のガートヒンドゥー教最大の聖地バラナシで印象に残るものと言えば何だろう?

模範解答をするなら、ガンジス川と川沿いのガートということになる。ガートとは階段状の堤のこと。日本人がインドと聞いて想起する典型的な1シーンである「沐浴するヒンドゥー教徒」を眺められるところだ。

ところが残念なことに、僕はほとんど印象に残らなかった。様子を眺めようと少しでも立ち止まろうものなら「あなたどこから来た?」、「ボートボート!!」、「私ガイドじゃないよ」(土産物屋の手先だけどな…)といった声が襲いかかってくる。おちおち眺めていられやしない。

放し飼いの牛さん■牛・犬・猿が放し飼い■

むしろ印象に残ったのは、牛、犬の群れ、猿の親子といった放し飼いの動物たちと、その排泄物。ちょっと踏んづけたくらいでは恥じらいを感じなくなるほど道にあふれていて、当然臭いが鼻孔に充満しっぱなし。

もう一つ挙げるならやっぱり人だ。コルカタよりも日本人の観光客が多いのだろう。怪しい日本語がかなり発達していた。先に例示した「襲いかかってくる声」もすべて日本語だった。続きを読む
posted by たあぼう at 13:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | インド旅行

客引きが勧める宿の実態はこんなもん−−バラナシ1

バラナシの目抜き通り鉄道は奮発して冷房付き1等に乗車した。4人コンパートメントで、コルカタからバラナシ間は予約手数料込みで1950ルピー(約5100円)。その次に高い冷房付き2等の倍近い料金がかかる。

これだけ高い金を払う人は当然限られる。僕が乗った「AMRITSAR MAIL」号には「冷房付き1等車両」はなくて、冷房付き2等と車両を分け合っていた。またコルカタの鉄道駅から乗車したのは僕のほかに二人だけ。

車両内は今までの旅と様相が一変した。同室のインド人客2人は携帯電話で話していることが多く、僕にやたらと話しかけてはこない。でも「バラナシにいつ到着するのかわからず困っている」と相談したら、到着時にしっかり教えてくれた。洗練されている。

効き過ぎるほどの冷房と相まって、バラナシまでの17時間ほどの移動は快適だった。機嫌が良くなったこともあって、ちょっと冒険してみようかという気分になる。バラナシ駅で待ち構えていた客引きのおっちゃんに勧められるままに、その宿に泊まってみようと思い立ったのだ。続きを読む
posted by たあぼう at 10:30 | Comment(2) | TrackBack(0) | インド旅行

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