大田区山王3-1-10 (携帯地図)
Tel:03-3771-1600
予算:2000円くらい〜(夜)
味 :★★★★☆
辛さ:★★★
量 :★★★☆
※今回取り上げるケララの風のご主人である沼尻匡彦さんには、9年前に小岩のサンサールで南インド料理の手ほどきを受けました。したがって客観的な紹介は僕にはできません。その点、ご了承くださいませ。
先日、拙ブログでおすすめですよと紹介した「dancyu」の8月号がお手元にあるあなたは、特集の前のコラム「旬探訪」のページ(pp.7-9)を開いてほしい。沖縄で栽培されているカレーリーフを扱った記事中に、南インド料理をこよなく愛する二人の男性が登場している。
一人は、緑園都市の南インド料理店であるガネーシュ(現在は能見台に移転)のご主人だった故・石原幸雄さん。そしてもう一人は謎のサラリーマンの沼尻匡彦さん。今回の主人公だ。
沼尻さんは、1980年にインド南部のケララ州にお仕事で赴任し、同地で南インド料理に遭遇した。その味にすっかり魅せられ、帰国後は南インド料理を普及させるべく全国各地で食事会を開いてこられた。この7月4日には、「カレーですよ」のはぴいさんとの共催で250回めの会を開催された(僕はシノギから抜け出せず、終了間際に顔を出しただけだった…)。
このように南インド料理に半生を尽くしてきたと言っても過言ではない沼尻さんが、満を持してご自身の南インド料理店を大森で7月21日に開かれた。それが今回紹介するケララの風である。
当然、メニューに並ぶ料理は南インドの味ばかり。ディナーであれば、「ラッサム」(酸味のあるスープ)、「ワダ」(豆のドーナツ)、「サンバル」(野菜と豆のカレー)といった具合だ。南インド料理をご存じないあなたも、カレー、ライスまたはパロータ(南インドのパン)、サラダ、ワダがセットになったメニューを注文すれば大丈夫だ。
かくいう僕もセット(1800円〜)を注文した。カレーは、ケララ州の中心都市・コーチンの名を冠した「フォートコーチンカリー」を選んだ。沼尻さん曰く、東京ではここでしか味わえない野菜カレーだそうだけど、さて一体どんな感じだろう??
注文を終えるとすぐに、サラダがやってくる。セットのサラダながら「とりあえず出しました」レベルではない。コリアンダーを散らしてあるなど、ちゃんとインド仕立てになっている。素晴らしい。
続いてワダがやってくる。これにもちょっと驚いた。ワダにはサンバルとココナッツ・チャツネが一緒に付くことは一般的なのだけど、その分量がかなりぜいたくだったからだ。とても1個のワダでは食べ切れない。残ったサンバルはライスと一緒に食べることにしよう。
もちろん、分量だけでなく料理の質も高い。ワダはさっくりと揚がっていてそのまま食べても十分においしい。ココナッツ・チャツネからは甘い香りが上品に漂い、具だくさんのサンバルはサラサラ感が絶妙のバランスだった。
こんな具合でカレーが到着する前に満喫した気になりつつある。でもやっぱりカレーは忘れられない。ワダを食べ終わる頃には、見た目に鮮やかなカレーと、南インドのカレーに合うパラパラに炊けたライスが目の前に置かれた。いただきます。
おお、これはおいしく、しかも面白いカレーだ。確かに他店ではなかなか遭遇しない一品だろう。
このオレンジがかったカレーソースは、南インドというよりもむしろ北インドのチキンカレーなどで見られるものに近い。実際の味も北インドに近くリッチだ。
ところが、香辛料を見ると印象ががらっと変わる。カレーリーフやマスタードシードなどを使っており、紛れもなく南インドの香りになっている。つまり、北と南が融合したカレーというわけだ。
南北を融合させつつも、味と香りのバランスはうまく調和している。ひょっとするとインド料理の次の方向性を表現したカレーなんじゃないだろうか、なんて思えてくる。
沼尻さんによると、シェフの方がコーチンのホテルで働いていた時に初めて出会ったカレーとのこと。インドでも貴重な存在なのかもしれない。そんなカレーが日本で味わえるのだから、幸せな時代になったもんだ。
カレーにすっかり満足した後には「チャイ」(350円)をいただいた。やや上品ながらインド現地のものに近い甘さがあり、これも気に入った。最後まで一貫しておいしくいただけた。
なお、ランチにはミールス(定食)を提供していて「コスト・パフォーマンスが抜群」(沼尻さん)。さらに、お店の運営が軌道に乗ってきたら「朝にティファン(インドの軽食)を出したい」(沼尻さん)とのこと。いやはや、すごい。
お会いしたことありますし、南インドカレーをいただいたこともあります。これは行かなくては。dancyuの記事も今、気がつきました。感謝。
ミールス・レディースで行こうと思ってます。
お早い訪問ですね。
私は「はぴジリ」は機上の人で、行かれませんでした…。
たあぼうさんの暖かみのある記事を見て、ますます
行きたくなりました。
こちらは最優先で行きたいと思っています。
お盆くらいまでには、何とか…。
ムットさんがお店休みの時に一緒に行ってみようかなぁとか。
それでは、失礼しました。
こちらは近々訪れてみたいと思います。
うーん、非常に楽しみですね!
気が付きにくかったかもしれません。
カレーのところを読むと、単品で注文するほかにセットで注文できると書いてありました。他店のメニューのようにセットの項目を独立させていないんですよね。
もっとも、通の方ならセットを注文されなくてよかったのではとも思います。ラッサム(酸味のあるスープ)などは基本的に単品のようですし。
>びっぐさん
びっぐさんのお友達の多くも訪問済みですか。皆さん早いですね〜(^_^;) 沼尻さんのお人柄がなせるところなのでしょうか。
ぜひ訪れてみてください。
>サントーシーさん
沼尻さんの奥様のセンスでしょうか、白を基調にすっきりとまとまった内装は、女性の方々にもきっと好評だろうと思います。
>USHIZOさん
そうでした、250回めの会の日、USHIZOさんは休暇中でしたね。
ムット(http://love-curry.seesaa.net/article/63037060.html)のオーナー、ムットさんもケララの方でしたっけ? であれば一緒に行かれると、沼尻さんもかなり喜ばれることでしょう。
>samuraiさん
samuraiさんは、250回めの会を堪能されてましたよね〜。うらやましかったです。ぜひぜひ、訪れてみてください。
明るめの店内に、インドなBGMが心地よいボリュームで流れるのは、とっても過ごしやすいですね。
夜に、行ったのですけれど、次の機会には、ぜひ、ランチ・ミールスを堪能したいと思います。
南インド料理をよくご存じの方なら、すぐにファンになるお店でしょうね。
加えて、華美に過ぎない内装は日本人好み。女性からの評価も集まりそうです。
沼尻さんのファンだけでもお店が回りそうな気はしますが、南インド料理について詳しくない方が足繁く通うお店になるといいですね。
感動がありました。
早くランチに行ってみようと思っているんですよ。
ミールスをランチで。
なかなかこんな贅沢、日本では出来ませんものねえ。
ムットくらいのものです。
そうですね。ミールス(南インドの定食)が楽しめるお店ということだけなら、ダバ インディア(http://love-curry.seesaa.net/article/667718.html)やA・Raj(http://love-curry.seesaa.net/article/584557.html)、ダルマサーガラ(http://love-curry.seesaa.net/article/1267563.html)などもありますね。
もっとも、恐らくはぴいさんが描いているであろう、「お手頃・お気軽にミールスを楽しめる」ミールスとなると、やはりムット(http://love-curry.seesaa.net/article/63037060.html)などに限られてくるように思います。ケララの風が起点となって、
お手頃・お気軽ミールスが広まってほしいものですよね。