
仙台市青葉区大手町7-20 (携帯地図)
Tel:022-224-7776
予算:840円〜
味 :★★★★
辛さ:★★★
量 :★★★
伊達政宗が築いた青葉城を観光するには、急な坂道を上っていく必要がある。観光用のバス「るーぷる仙台」を利用するのがおすすめだ。でも僕は、あえて仙台市街から歩いてみた。江戸時代の人々の気分を味わいたかったからだ。
こんな非合理的な行動のおかげで、素敵な出会い(笑)があった。広瀬川に架かる大橋の手前まで来たところでカレー屋さん「パチャカリ」を見つけたのだ。同店の店主さんは数年にわたりインドで暮らした方。その経験を存分に生かしてベジタリアン向けのインド風カレーを提供している。
常設するカレーは3種類。いずれも豆のカレーだ。ほかに季節に応じた限定メニューもある。僕は常設メニューの一つである「有機納豆のカレー」(920円)に惹かれた。「納豆を使うインド風カレーというのは、なかなか珍しいんじゃないかな?」と思ったからだ。
注文してからカレーができあがるまでは、少しばかり時間がかかる。店内を流れるクラシックに耳を傾けるもよし、書棚を眺めるのもいいだろう。インドのベジタリアン向けのレシピ本や、カレーの歴史を綴った本などが並んでいて、店主さんが研究に余念がないことをうかがわせる。
僕はというと、厨房から響くジュッと熱がかかった音などをBGMに、書棚にあった森枝卓士氏の「カレーライスと日本人」をパラパラとめくっていた。1章ほどたどったところに、カレーがやってきた。おっと、青々としたネギが目立っているな〜。いただきます。
うん、納豆入りながら、スパイス感は紛れもなくインド風のカレーだ。これはいける。
有機のパワーなのか、納豆は香りだけでなく味もしっかりとしていた。とはいえ、納豆だけでは単調になりそうなところ。そこで店主さんはいくつも工夫を凝らして、おいしい料理に仕立てているのだ。
工夫の一つは、納豆ひよこ豆をブレンドしていること。ほくほくとした食感で、適度なアクセントを加えている。それに大量のネギ。和食で納豆とご飯を食べる際と同じように良い薬味となっている。
三つ目の工夫は、カレーにフェネグリークの葉をハーブとして混ぜてあることだ。このハーブの香りが、納豆だけの香りとは変わって食べやすくしてくれている。
前述したようにスパイス感もなかなかのもの。特に家庭的なインド料理が好きなあなたなら、きっと大満足のはずだ。有機食材や玄米などを使っていて、健康に配慮してあるところも嬉しい。毎日通っても良さそうなレベルの高いカレーだった。
ちなみに、土日であればジャガイモやチーズ、ほうれん草などを、有機酵母を使ったナン生地でくるんで焼いたパン「包み焼きナン」(380円〜550円)が売られている。これらもおいしそうだった。