入間郡三芳町みよし台6-11 (携帯地図)
Tel:049-259-8834
予算:1500円くらい〜
味 :★★★★
辛さ:★★★☆
量 :★★★
「フィッシュヘッドカレーを食べに来ませんか?」
インド料理店のハティには、そんなお誘いを1年以上前にいただいていだ。東武東上線のみずほ台駅から10分ほど歩いたところにある。オーナー交代とシェフ交代が何回かあったものの、この地で20年の営業になるそうだ。立派だよね。
植民地時代のインドの建築物はこんなだったのかな? と思わせるオシャレな建物。重厚な雰囲気の扉を開いて中に入ると、天井が高い開放的な空間が広がっている。壁際には色とりどりのガラスの小物類が飾られている。
そんなデートに良さそうな空間に、残念なことに一人で訪れた僕は、中央の大きなテーブルに案内された。インド系の方が手慣れた様子でメニューを手渡してくれる。さて、シェフがシンガポールに訪れて作るようになったというフィッシュヘッドカレーはあるかな…ないな(^_^;)
と思ったのだけど、実はフィッシュヘッドカレーは2人以上のお客さん向けのメニューだった。考えてみれば魚のお頭を丸ごとでボリュームたっぷりなのだから当然だ。一人客の僕には気を利かせ、不必要なメニューを手渡さなかっただけだった。
気を取り直してメニューを眺める。北インド系のごちそう系カレーが充実しているね。少しだけ南インドのカレーもある。お、好みのカレーを選んで、ナンまたはライスと、サラダ、ドリンクを組み合わせられるセット(700円)があるのか。
僕はこのセットを注文し、カレーは「マラバルフィッシュカレー」(1000円)を選んだ。その名の通り、南インドのマラバール地方の魚のカレーである。これにお米文化の南インドのカレーだからと、サフランライスを組み合わせた。
もっとも、この魚のカレーとはサフランライスよりも白米の方が相性がよさそう。それでも選んだのは、お店の雰囲気からすると真っ当なサフランを使用していると予想でき、ぜひ味わってみたいと思ったからだ。しばらく待つと、期待どおりの自然な黄色に染まったライスとともに、カレーがやってきた。いただきます。
なるほど、トマトベースのソースで、タマリンドの酸味と唐辛子の辛さを巧みに利かせている。脂っこさがなく、僕にとってはかなり食べやすいインドカレーと言える。
サフランライスも秀逸だ。正真正銘のサフランを使っていて、その独特の香りがほのかに漂ってくる。カレーとの相性も期待以上に良かったため、スプーンでライスをすくうペースがいつも以上に早い。
さらにこのライス、長粒米と日本米をブレンドしていることも特徴的だ。南インドのカレーには長粒米がぴったり。でも長粒米だけでは、日本人の口には合いにくい。2種類の米を混ぜたことで、両者の長所を引き出せていた。シェフの工夫だろう。
そうそう、ドリンクで注文したラッシーがなかなか出てこない。と思ったら、食後に運ばれてきた。食中に飲めると思っていた僕は、この流れが少し不満だった。ところが、一口飲んでみて思わず「だから食後だったのか!」と納得してしまった。
というのも、他店のラッシーよりもかなり酸味を強めにしてあったからだ。おかげで、ごちそうカレーを食べた後にこのラッシーを飲むと、さっぱりとした気分になれるのだ。あえてサーブを遅らせていたとはね。
全体に主張が感じられるお店でかなり気に入った。ひょっとするとハティは、東武東上線沿線ではトップクラスのインド料理店かもしれない。
インド料理店でもフィッシュヘッドカレーってあるんですね。
シンガポールやマレーシアだけかと思っていました。
まぁムットさんに以前聞いたのですが、南インドで
捕鯨をして鯨のカレーも作るという衝撃の情報も
ありましたので、フィッシュヘッドカレーがあっても
おかしくありませんね^^;
それでは、失礼しました。
本文で触れたとおり、シェフの方がシンガポールでヒントを得たそうです。
もっともフィッシュヘッドカレーは、南インド出身の裕福でない移民が、魚の頭を安く入手して作ったのが始まりと言われます。だからインドの方が作っても不思議ではないんですね(^-^)