R30::マーケティング社会時評さんです。書かれている方の本業は雑誌記者さんだそうですが、僕のような不勉強者は全く知らない難しい言葉や概念を、いつも流れるように説明されています。しかも、無知な読み手でも分かった気になれるような配慮をしながら。優秀な方だなあと尊敬しています。
ただ、最近のエントリである「プロのジャーナリズムとは何かについて考えてみる・その1」は大変参考になった一方で、暫定的な結論部分はやや見解が異なるなぁと思い、感想をちょこっと漏らしたくなりました。で、あわよくば教えを請えると嬉しいなあ、なんて (^_^;)
> ある水準以上のクオリティーを、常に継続してアウトプットすることが「プロ」のプロたるゆえんなのだと、僕は思う。
この部分ですが、水準以上の質が伴ったものを継続して出すことは、プロとして当然求められるべき姿勢とは思います。ですが、水準以上の質と継続性は、プロとアマチュアとの間にある厳然とした一線、「あと一歩」ではないんじゃないかなぁ、と思うのです。
以下、駄文失礼します。例えば、R30さんは本業はプロのジャーナリストですが、ネット上の執筆に限ればアマチュアとして取り組まれていらっしゃると思われます(おそらく、お金などを集めてはいませんよね?)。それでも、相応の質を伴ったエントリを、継続してアウトプットしていらっしゃいます。
ついでに宣伝狙いで拙サイトを取り上げさせていただくと、僕が各地のカレー屋さんを勝手に訪問し、「独自に調べた1次情報」を「継続」して発信しています。そこらのグルメ雑誌に載っていない「新しい見方」も、たまには提示しているつもりです。あ、もちろん、切込隊長さんの社会派エントリとはかけ離れている、実にどうでもいい情報です。でも、柔らかい雑誌ならこんな情報でも役立つ可能性は一応ありますよね?(ジャーナリズムという社会派の臭いがする言葉をちょっと脇に置かせてください、すみません)
まあ、拙サイトに「質が伴っていない」との指摘をいただくことには、受け入れるしかありません。でも水準以上の質が伴ってさえいれば、僕はプロのカレー評論家になれるでしょうか? そうは甘くないと思うんです。せいぜい、梅田望夫さんがブログで引かれた羽生王位・王座の言葉でいう「奨励会の二段」どまりじゃないかと。そういえば僕、将棋はコンピュータの4級に負け越す「アマ五段(笑)」なんで、奨励会もたどり着けないですって話がそれました、ごめんなさい。
じゃあ、同じく羽生さん言うところの「全く別の要素」って何だよって話になりますが、頭の悪い僕ははっきりと分かっていません。さすがに申し訳ないので、ヒントになるかもしれないと思っていることを将棋の例で引かせてください。
将棋界には森内竜王・名人という第一人者がいます。精密な将棋を指す人で若い頃からめちゃくちゃ強く、ずっとタイトル獲得候補者と言われてきました。ところが「あと一歩」の足踏み状態が続き、実際にタイトルを獲得できたのはつい最近のこと。何かの機会で吹っ切れてしまったのか、事前の研究などではとうてい思いつかない変な手を指すことが目立ってきてからです。そういう手をひねり出す力って、ネットで転がっている情報を集めて身に付く力とは、明らかに違いますよね。
そうそう、切込隊長が別件のエントリで「厨房力」なるものを挙げられていましたよね。あれなんか正に「全く別の要素」じゃないかなあ、と思うのです。爆発的な力を「プロになるぞ」という思いと結び付けられた時、「渋滞から抜け出」してプロへの道を歩み出すんじゃないでしょうか。隊長さんにしろ山形浩生さんにしろプロって感じがします。ジャーナリストではありませんが。そのプロになって生きていけるかどうかは別にして。
そんな風に考えると、あの団藤さんの誰だってジャーナリスト論の「志」とやらにも、一聴の価値くらいは出てきそうな気もしてきます。いや団藤氏に対しては、「志だけじゃ生きていけないんだよ」という現実論に立ったビジネス・モデルを模索することに全く想像が及ばない、実に幸せな人生を送ってきた人だよなあ、それじゃネットでは共感を得られないよ、というふうに思っていますが。
-----追記
と、だらだら書いていて今ごろ気が付いたのですが、R30さんの文章を読み直すと、プロになる一線の越え方、ではなくて、周りの人からもプロとして認められる条件を記述されているのですね。そうか、個人個人のプロ意識っていうレベルのものではないところに重点を置かれているのだなぁ、あーってことはこの文章は全部空回りか、とほほ。ごめんなさい。
-----追記終わり
すみません。1回目のエントリだけを見て勝手につらつら並べました。2回目のエントリを楽しみにさせていただきます。
システムエンジニアでも何でもアマに負けるけど、それでお金もらってる人いっぱいいるのにね。
インターネットの普及で一般人もチャンスをつかみやすくなって、ライバルが増えてしまった、と私の飲み仲間のジャーナリストは言います。はっきり言ってコワイ、邪魔だ、と。
出版関係に務めるうちの近所のおじさんは、「やれやれ、文を書きたいって人は増えてても、読みたいって人が減っててね。活字離れのおかげで、書店もつぶれる、出版社もすごい勢いでつぶれてる。わしも危ないよ。」と。
書きたい人、まず自分が書いても読んでもらう社会のしくみから論じてくれ。
と、ジャーナリズムはどうでもいいおばはんの意見でした。
(だってジャーナリストって「ジャーナリズム」とは何か?」「ジャーナリストの常識では。」ってうるさいいんだもん。)
夜中に酔っぱらって書いた妄言にまでコメントいただき、ありがとうございます m(_ _)m
冷静で鋭いご指摘です。
僕自身の関心もジャーナリズム云々より、
ネット上でカレー屋さんの話を書いていたら,いつの間にか「プロ」なるものになれて、お金がもらえて生活ができたらいいよなぁ(できるわけないけどさ)
という夢見る夢男くんなところにあります。
バカです。
で、ジャーリズム系のネタなんですけど。
僕含め大半の人にどうでもいい情報ですよね。
そんなものをネット上で書いて読まれてお金が入る、みたいな上手い話があるといいな。そのヒントが出てくるかなぁ? と期待して、R30さんのエントリを読んでしまっている次第です。
R30さんの次のエントリやロザリーさんご指摘のおかげで、需給ギャップから言って無理だろう、ということが改めて分かりました。
ということで、また趣味でカレーの食べ歩き報告をゆるーくしていきたいと思います (^_^;)