
台東区雷門1-3-7 (携帯地図)
Tel:03-3841-1296
予算:1100円くらい〜(昼)、
4000円くらい〜(夜)
味 :★★★★
辛さ:★★
量 :★★★
銀座線の最後の一駅となった田原町では、フレンチと質の良いワインを楽しめるレストランを訪れた。名前は「ITAZURABOZU」(いたずら坊主)。フレンチらしい高級感と、下町らしい気軽さとが同居する不思議な雰囲気のお店だ。近くに住むご家族が肩肘張らずに訪れて、お気に入りのワインを傾ける、そんなシチュエーションに向くのかな。
そんなITAZURABOZUに僕が訪ねた目的は、もちろんカレーである。フレンチの技巧を採り入れた欧風カレーをランチ、ディナーのどちらでも用意しているのだ。「せっかくだからワインやフレンチも味見したい」と考えた僕は、ディナーの開店早々の時間帯に訪れた。
■ぜひ味わってみたい「フレッシュ生ハム」

このワインとともに、前菜の「フレッシュ生ハム」(780円)をいただく。柔らかく、かつ弾力があって、プロシュートよりもだいぶ塩気は控えめ。それで十分なおいしさがある。生ハムに対する僕のイメージがいかに貧弱だったかを痛感させられる一皿だった。
次に僕が頼んだのは「本日のスープ」(650円)で、この日はビシソワーズ(ジャガイモの冷製スープ)だった。口当たりが心地よい冷たさで、それでいてジャガイモの味にしっかりと存在感がある。
■カレーとパスタを組み合わせられる
ここまででも十分に満足してしまった。とはいえ、カレーを注文しないわけにはいかない。僕は「ラムのカレー」(1100円)を注文した。するとオーナー・シェフの奥様と思しき店員さんが怪訝な顔をする。あまり出ないメニューだからだそうだ。ははは、カレー好きなもので。
次の店員さんの質問で、今度は僕が驚いた。「ライスにしますか? それともパスタにしますか?」 へええ。パスタとも組み合わせられるんだ。面白そうだからパスタで一つ。
ビシソワーズを飲み干してからしばらくして、お目当ての一皿がやってきた。おお、少し黒みがかった濃厚そうなカレーだね。どんな味がするのかな。
おお、これは少し甘めの欧風カレーが好きなあなたなら、間違いなく気に入る一皿だろう。
カレーソースは、タマネギやニンジン、果物などをじっくりと煮込んで作るフレンチ仕立て。濃厚な旨みに軽やかな甘み、ハープ系のかすかな香りが加わる。ボンディ系の欧風カレーに似た甘みながら、もう一工夫加えている印象を受けた。
一方のラム肉は、歯を当てた途端に崩れていくかのような柔らかい口当たり。さらにしっかりと噛むと、旨みが染みわたる。また、パスタはフレンチには合わないかもしれないけれど、アルデンテという言葉がぴったりの茹で加減。弾力が気に入った。
おいしくいただけた。ただ、濃厚かつ甘みのあるソースのため、たっぷり味わうタイプではない。締めに二人で一皿分といった感じで注文すると良さそうだ。また、パスタとの相性は決して悪くなかったけれど、ライスと組み合わせた方がなお良かったかも知れない。

