長浜市元浜町13-21 (携帯地図)
Tel:0749-65-0177
予算:1500円
味 :★★★☆
辛さ:★★
量 :★★☆
高級和菓子の有名店の一角を占める叶匠壽庵(かのうしょうじゅあん)。都内の百貨店にも数多く出店しているけれど、地盤は滋賀県だそうだ。本社は大津市に、直営の「カフェ叶匠壽庵」の1号店は羽柴秀吉で知られる長浜市にある。
今回、長浜に出張する機会を得て、カフェを訪れることにした。和菓子の直営カフェを訪ねた理由は、もちろんカレーである。意外にも、食事メニューに「近江牛カレーセット」(1500円)を用意しているのだ。
さて、カフェ叶匠壽庵は黒壁スクエアと呼ばれる観光名所の一帯、壱番街祝町通り沿いに構えていた。このお店も「黒壁20號館」に指定されており、昔ながら雰囲気の建物をうまく生かした内外装になっていた。
雨がしとしと降る平日のお昼直前とあって、どうやら僕が食事の客としては一番だったらしい。好きな席に座るよう勧められ、僕は入口近く、商店街が臨める場所を選んだ。席に着くやいなや「近江牛カレーセットをください」と注文した。
注文を待つ合間に菓子の売り場をのぞく。へえ、定番品だけでなく、珍しい商品もあるな。例えば「六瓢箪」(むびょうたん)はその名のとおり6個の瓢箪型のもなかだ。秀吉の馬印にして、長浜周辺の観光名所の六瓢箪になぞらえており、「無病」にもかけた縁起のよいお菓子だ。一つ買っておこう。
買い物を済ませると、僕のテーブルにカレーライスなどの一式がやってきた。ではでは、いただきます。
うん、老若男女が安心して食べられるカレーライスとでも言いましょうか。
カレーソースはいたってオーソドックスで、特筆するほどのものではない。しかし、中に入っている具の近江牛の風味がやはり素晴らしい。口に放り込む前に、嗅覚でじっくりと楽しめる。香りを楽しんだら、口の中でまたじっくりと。とろけそうな感触が嬉しくなるはず。
付け合わせのらっきょうと福神漬けも秀逸だった。酸味や甘みがお店の雰囲気にふさわしい上品さで、盛られていた量はあっという間に平らげてしまう。単品で追加注文したくなったほどだ。
また、特筆したいのは一つひとつの食器が凝っていたこと。水用のグラスさえも淡いピンク色をしたものを使っており、注がれた水がキラキラと光って美しかった。
カレーもさることながら、店舗の内外装や使われている食器の美しさなどが醸し出す雰囲気の良さに感心した。いかにも高級和菓子店らしいね。食事のボリュームが控えめで、お腹は八分目といったところだけど、心のほうは十分に満たされた気がした。