「俺が案内してやる」だの、「チャイを飲みに行こう」だの、「日本人と友達になりたいんだ」だのと話しかけてきて、無視しても付きまとってくる。
話しかけられることは嫌いじゃない。むしろ信用できる相手なら話し込みたいくらいなんだけど、他国と比べて信用できる相手かどうかの見極めがすごく難しかった。最後までコツがつかめなかったな。
街ごとに話しかけてくるパターンやその後の展開には少しずつバリエーションがあった。コルカタはたいていこんな感じだった。
■何を答えても付きまとわれ、答えなくても付きまとわれる■
「やあ、フレンド! 君はどこの国の人?」
必ずいきなりフレンド扱いされる。「日本人だと分かっているくせに」という思いは伏せ、日本人だと答えてみよう。
「へえ、日本人なんだ。ネパール人と思ったよ」
確かにネパール人は日本人と割と顔が似ているけど、「インド入りして2日目の不健康に白い顔の相手にそれは無理だろう」と突っ込みたくなる。それでも「そうなんだぁ」と感心したふりをして流す。
「君は旅行者だよね? 実は僕も旅行者なんだ。ムンバイ(ガヤ、バラナシなどバリエーションあり)から夏休みで来ててね。コルカタって物価安くていいよ。さっき美味しいチャイ飲んだのに、たったの4ルピーでびっくりした」
地理不案内者同士という安心感を与えようとしている様子。その割に少し話してみると、コルカタの事情にめちゃめちゃ詳しい。
「僕は日本に行ったことがあってね。千葉や埼玉。日本人のガールフレンドもいるよ。これが彼女の携帯番号。君はいるかい?」
こちらをネパール人と間違えるくせに、東京ではなく千葉や埼玉に訪れたことがある。日本をなかなか研究しているようだ。ただし西日本地域は研究が進んでいないらしく、挙がるのはたいてい広島、長崎だ。続いて、
「これからどこに行くの?」
あなたならどう答えますか?
ちなみに僕は以下のような回答をひと通りしてみた。
(1)観光地の名を挙げる
(2)食事に行くつもり
(3)特に決めていなくて散歩しているだけ
まあ、どれを選んでも大した違いはないです。
観光スポットの名を挙げると「僕もそこに行こうとしていたんだ」
食事に行くつもりと答えると「いい店を教えるよ」
散歩していると言うと「暑いから歩き回っていると疲れるよ。チャイ飲みに行こう、ごちそうする」
といったやり取りになる。要は相手のテリトリーに引っ張られるわけだ。
この後、おすすめの店に行ったり、チャイを飲みに行ったりはしなかったので、どうなるのかは知らない。適当に無視して歩き出しても延々と付きまとってきて、「カーリー寺院には行ったか」、「みやげは買ったか」などなど話しかけてくる。
おかげで観光しようにも落ち着かず、レストランを探すこともままならない。この日は朝から午後2時まで食事にありつけなかった(泣)
■信用してみたい人物もいたけれど■
ただし一人だけ、「こいつは信用してもいいかな」と考えた相手に博物館で出会った。むかし埼玉にある銀行で働いていたそうな。そして彼は目をキラキラさせて言う。
「大宮公園のミュージアムを知ってる? すごくよかったよ〜。」
埼玉県出身だけど訪れたことないし… (-_-;)
博物館を全く見学できないくらい話しかけられ続けたため、少しは見学したいという気持ちが強くなった。それで「写真撮るんで先行ってくれる?」と途中で別れを告げた。数分後、彼は別の日本人ターゲットを捕まえて同じことをやっていた。
でも彼とはもう少し話していてもよかったのかなぁ…二日間に満たないコルカタ滞在の心残りになった。
その方は、現在32歳で、10年前の卒業旅行だったそうなので、聞きながら「今はもうさほどヒドくはないんだろうけどー」なんて 内心思っていたのですが☆
変わらないんですねっ(笑)
たぁぼうさん、ご出発前に かなりお勉強されたんですね!
わたしは女なので、やはり添乗員付きのニコニコツアーで行くべきなのでしょうか(^^ゞ
インド、行ってみたいです。
別の何カ国かを個人旅行された経験がなければ、旅行しにくいでしょうね、インド。
ただ、日本でできることはなるべくしておく、危ないと思ったときは適度にお金をかけるといった心構えを続けていれば、個人旅行は十分に可能だと思います。
少なくとも中東地域よりは個人旅行している日本人女性を多く見かけました。
あと、こういう言い方は怒られてしまうかもしれませんが、中東を長期旅行している女性は、たくましさを身に付けた方ばかり。
それに比べてインドで出会った方はおしゃれを忘れていない方ばかりでした。