2006年05月02日

ラヴィの自宅に連行される−−サールナート4

ラヴィとお姉さんたち、お姉さんの子供どうやらラヴィは僕の要求を全く聞いていないらしかった。

「さて、サールナート見学は終わった。次に俺は俺の家に行って休む

なんで雇い主の意向を無視して、あんたが途中で休むのよ(今になって思えば、僕が「俺は」という意味で把握した「I」は、ラヴィ英語だから「君は」の意味だったのかもしれない。どっちにしろ僕の意向を無視しているのは変わりないけど)。

「時間ないんだけど」と僕が不機嫌そうに言うと、ラヴィは怒り出した。「10分だけだ!!」 あぁ、分かった分かった。行けばいいんだろ。民家をかいま見られる貴重な機会かも、と思い直し、自分を納得させた。

■ラヴィ一家に出迎えられる■

オートリクシャーは幹線を離れ、脇道に入り込んでいった。道々にたたずむ人間やら牛さんたちやらをかわすこと10分あまり、ラヴィの自宅にたどり着いたようだ。

案内されるままに敷地に入る。ラヴィのお母さん、お姉さん二人(ほんとは三人いるそうだけど、一人は結婚した旦那さんの家に行っているとのこと)とお姉さんの息子(とその友達?)が出迎えてくれた。

ラヴィがお母さんたちを相手に誇らしげにしゃべっている。「日本人を連れてきたぞ」とでも語っているんだろうか。こうして10分という最初の約束はあっさりと有名無実のものとなり、一家の歓待を受ける立場になった。

ジャガイモを揚げるラヴィのお母さん■お母さんの手作りポテトチップをいただく■

ラヴィから部屋の片隅に枕を置かれ、そこで寝ているよう指示を受ける。枕元にはお姉さんが座り、団扇のようなものであおいで僕に風を送ってくれる。ラージャ(太守)気分にってこと!? 小心者の僕はかえって落ち着かない。

しばらくすると、僕のところにお母さんがお皿を運んできてくれた。ラヴィがそっくりかえって言う。「Aloo Chips!」 Alooはヒンディー語のジャガイモ。つまり手作りポテトチップというわけ。噛むごとにイモの素朴な香りが漂う。塩の加減もちょうどいい。油を気にしなければかなりの美味だ。

僕に振る舞ってくれた後も、お母さんはなお家の軒先で追加のポテトチップを揚げ続けていた。そこでその様子を写真に撮らせてもらう。

おやつ攻勢はさらに続いた。Aloo Chipsの次にやってきたのは「Aloo Halwa!!」(にんまりと笑いながらのラヴィ)。ハルワとは甘味のこと。ジャガイモを栗きんとんのように飴状のものでからめていた。これもまた美味しかった。

半ば連行されてきたラヴィ宅だったが、だんだん楽しくなってきた。おしとやかな女性陣や、人見知り(というか外国人を怖がっている)の子供たちの手前、ラヴィともしばし休戦状態になっているし。
アル・チップスとアル・ハルワ
posted by たあぼう at 13:00 | Comment(2) | TrackBack(0) | インド旅行
この記事へのコメント
貴重(苦痛?)な体験をされましたね。
一般庶民の家に行く機会は、なかなかないものです。
これは危険と背中合わせですが、
ラヴィが極悪人でなくて良かったですね。
この人間性の見極めがインドでは重要です。
カンでしかないのですが・・・。
Posted by サントーシー at 2006年05月22日 23:47
サントーシーさん

仰るとおり、極悪人ではなさそうと思えたので、「連行されるもまたよし」としました。ラヴィがスマートなタイプだったら信用しなかったと思います。
Posted by たあぼう at 2006年05月23日 19:02
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