水不足が原因でわずか14年で打ち捨てられた広大な都。その跡地がほぼ残っていて見ごたえがある…と書きたいのだけど、インドの人々はそんな優雅な観光を許してくれない。
巨大なブランド門をくぐりぬけ、モスク地区に足を踏み入れた途端に「ハロー!! ジャパニ!! フレンド!!」…。案の定、物乞いチルドレンが取り囲んできた。
しかもここでは、ティーンエイジャーも話しかけてきてはいろいろと要求してきた。少し賢くなっている分、タチが悪い。半ば引きずるようにしつつ逃げ回ったため、落ち着いて観光できやしない。
ろくに観光できないまま疲れてしまった僕は、モスク内の一角、聖者サリーム・チシュティー廟の脇に腰を下ろし、水を飲むことくらいしかできなかった。しかし、ここでも好奇心旺盛な子供が二人。「フレンド!! マネー!!」…。あー鬱陶しい。これに対抗するために、僕もあいさつを返すことにした。
■アラビア語で「こんにちは」■
「アッサラーム・アライクム!」
いきなり大声でこんな言葉を発した僕に、子供たちは目をぱちくりさせた。が、すぐに目を輝かせ、こう叫び返してきた。
「ワ・アライクム・サラーム!!」
これは、アラビア語のあいさつ。モスクで遊んでいる子供たちだから、恐らくムスリムだろう。コーラン(経典)の内容を覚えていくために、あいさつ言葉くらいは当然知っているだろうと判断したのだ。
ほかに思い出せたアラビア語は「シュクラン」(ありがとう)くらいしかなかったので、もっぱら「アッサラーム・アライクム!」ばかりを繰り返した。それでも子供たちは面白がってくれ、マネーのことを忘れたようだった。
この様子を遠巻きに見ていたティーンエイジャーが、「おまえは何人だ? ムスリムか?」と尋ねてきた。さっきまでさんざんマネー攻撃に悩まされていた僕は、罪のないお返しをしたい気分になってきた。
「シンガポール人で仏教徒だよ」
僕は仏教徒ではないから、まるででたらめな答えである。アラビア語を話す仏教徒のシンガポール人。ティーンエイジャーの知識を遙かに超えた存在だったらしく、かなり頭を混乱させた様子だった。
その様子を眺めてちょっと気分がよくなった僕は、そのまま打ち捨てられた都を退散することにした。
また1時間ほどバスに揺られてアグラに戻ってから気が付いた。
モスク地区以外の場所を見て回るのを忘れちゃったよ…(-_-;)
(o・_・)ノ"(ノ_<。)
いつも楽しみに読んでいます。
他の地区見れなかったのは残念ですが、良い
撃退(?)法でしたね^^
子供達の悩んでいる様子が目に浮かびました(笑)
向こうの自国語で話しかけると雰囲気が変わりますよね
それはそうと国内のカレーは都内メインですか?
是非横浜方面にも・・・♪
コメントありがとうございます。
説明不足ですみません、日本語ではなく、相手の自国語でもなく、英語でもないのにお互いである程度通じる言葉で話しかけた次第です。しかも仏教徒が知っているとは思えない言葉で。
今のところブログの説明文の通り、「東京ローカル」と位置付けてカレー屋さん巡りをしています。横浜も行きたいんですけどね。