今日使ったお金:161000リアル(約1900円)
朝9時、僕はテヘランの南バス・ターミナルにやってきた。ここからバスで「イランの京都」エスファハンを目指すわけだ。
でも、テヘラン−エスファハン間は8時間近い道のり。「明るい時間を移動だけで費やすのはもったいない」と貧乏人気質がもたげてきた。
そこで、テヘランとエスファハンの間にある小さな町、カーシャーンに寄り道することに決めた。サファヴィー朝最盛期の王アッバース1世が愛した町として知られる。化粧品に詳しいあなたなら、バラの香水や、化粧水などで使われるバラ水の産地としてご存じかも。
郊外の庭園は大混雑
テヘランを出発してから3時間あまりでカーシャーンに到着する。はじめはバス・ターミナルから町中に出ようと思っていたものの、考え直してタクシーの運転手に「そのままフィーン庭園を目指してくれ」と頼む。郊外にあるアッバース1世が設計した庭園である。12000リアルはちと高いが、時間の節約になるからいいだろう。
20分ほど乗り、目的地に到着した。うわっ、人、人、人だらけだぁ。
今日は金曜日。ムスリムにとっては嬉しい嬉しい休みの日なのだ。
水遊びではしゃぐ子供たち、絵になる場所でポーズを決める少女。気持ちよさそうにベンチで居眠りするおじさん――。
中央に水路が流れるペルシャ様式の庭園で、めいめいに休日を楽しんでいる。その光景を見ているだけで楽しくなってきた。
おらは人気者!?
ひととおり庭園を見て回った僕は、ベンチに腰掛けて、朝1000リアルで買ったパンで昼食をとっていた。すると周りにわしゃわしゃと人が集まってきた。その数10数人。
「こんにちは」、「中国人か、日本人か、韓国人か?」、「元気か?」、「どこの学生だ?」、「旅行者なのか?」、「一人旅か?」、「なんで一人で旅しているんだ?」、「何歳だ?」、「ペルシャ語はしゃべれるか?」、「だめか、じゃ英語は?」
……。
こんな調子で、四方八方から矢継ぎ早に質問を浴びせられた。さらには一緒に写真に写ってくれと頼まれる。いやはや、いきなり人気者である。テヘランでは観光客の姿をちらほら見かけたけれど、こんな小さな町の庭園に、一人でやってくる日本人旅行者はさすがに珍しいらしい。
ツアーで有名観光地を眺めて回っていると、こうしたちょっとしたスター気分はなかなか経験できない。これが一人旅の醍醐味かも。
最初に話しかけてくれたおじさん2人にモデルになってもらって写真を撮影してから、僕はフィーン庭園を後にした。
というか、もてるんです。
ワタシ、日本ではもてないので、コレ、海外旅行での楽しみ(笑)
「結婚してるのか?」「してないよ」「よっし、俺と結婚しよう」「なんでやねん」
以前トルコに行った時、まだ日本人はトルコってどこよ?というあまり認知度がなかった時ですが、一人に道を聞いたらどんどん人が集まってきてとんでもないことになりました。
「こっちだ」「あっちだよ」「よし、俺が連れて行ってやろう」「俺の方が知ってるぞ」
分かった分かったもう解散ー!
もてもての瞬間。
トルコに行くと女性はもてますね〜。でも都会で声かけてくるトルコ人は危険です。いなかのトルコ人がねらい目です(意味不明)