2007年06月07日

dancyuさんへの私信

dancyu2007年7月号(注:以下は愛読誌に対する私信です。愛読誌ゆえに思いあまって気持ち悪い書き方をしています。気に入らない方は無視してくださいませ)

−−−−−

拝啓 貴誌ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。

さて、7月号の特集「カレーの歩き方」を拝見して驚きました。このところ貴誌のカレー特集は偶数年ばかり。奇数年はカレーうどん、カレーラーメンといった変化球でしたから、慣例を崩して今回特集を組んでくださったことは嬉しいかぎりでした。

紹介されているカレー屋さんも貴誌らしいと思いました。「ダバ インディア」、「デリー」、「すぱいす」など過去の特集とかぶっているお店がやや多いものの、おいしいところばかりなのは間違いないでしょう。

ただ今号の特集には、いささか懸念を感じたことがあります。「カレー好きのカレー好きによるカレー好きのための特集」になってはいないか?ということです。

昨年の南インド特集に続き、今年はビリヤニ(インド風ピラフ)が特集の1パートになりました。企画に新味を出したいお気持ちはよぉく分かります。カレーマニアとしても、曲がりなりに同じ出版業界に属する者としても。僕もビリヤニが広まってほしいと思っていますし、「シャヒダワット」、「カイバル」、「シターラ・ダイナー」など、貴誌の掲載店はよいところばかりだと思います。

でも、普通に「カレーが好き」と仰っているような方、あるいはカレーだけでなく幅広いグルメに関心があるという読者さんたちにとって、南インドだビリヤニだという特集の組み方は、少し入り込みすぎている気がするのです。読者の幅を狭めてしまっていないでしょうか。

「インド料理」物語というパートもそうです。麹町アジャンタ出身のシェフのインド料理店は、たしかにどこもおいしいと思います。「アンジュナ」や「たんどーる」がそうですよね。でも、それらの店をアジャンタ出身と同窓会的にくくった途端、業界誌というか同人誌というか、そんな余計な香りがしてきました。

もしかすると「チキンカレー」の特集パートでは、幅広い読者を狙われているのかもしれません。できれば、もう一ひねりしてほしかったです。例えば貴誌2006年5月号の銀座特集は、ランチ向け、ちょっと休憩向け、夜向けといった生活シーンごとにおすすめのお店を取り上げられていました。そんな生活シーンを想像しやすい特集は、カレーでは難しいのでしょうか。

来年以降のカレー特集がちょっと心配なのです。「次はラッサム(トマト風味の辛いスープ)が来るぞ」とか、「本場風のチャパティを日本で味わう」などになりやしないかと。いや、僕にとってはバイブルとなる特集ですけどね。貴誌はもっと幅広い読者を抱えていて、その中のいくらかの方を新たにカレー好きにさせる力があると思うんです。

ぜひ来年の特集では、そのあたりにご留意いただけないでしょうか。もちろん、今年のうちに再度特集を組んでくださっても構いません。

わがままな読者の乱筆乱文、大変失礼しました。今後とも楽しい特集を期待させていただきます。
敬具


関連リンク:昨年のdancyuカレー特集号について


posted by たあぼう at 01:39 | Comment(14) | TrackBack(0) | カレー談義
この記事へのコメント
こんばんは。

私信にコメントして良いものかアレですが。
danchuの特集はカレーですか。それは見てみます。
ビリヤニの特集ってのも、確かにすごいですね。
私は1、2回しかいただいた事がありません。

さらっと一読しての感想ですが、特に
気持ち悪さは感じませんでした。
それよりも、たあぼうさん自身の立場とも
オーバーラップしてしまい、たくさんの読者が
いる方は表現やカレーのチョイスにしても、
苦労が絶えないだろうなぁ…と失礼ながら
思ってしまいました。

カレー好きのためだけではなく「普通の方が
カレーに興味を持ってもらえるような切り口」は
たあぼうさんも気にかけていらっしゃると思います。
全部が全部アサノさんや、蔦カレーのようなお店では
普通の方は興味を持てませんよね。
(上記2店をやり玉にあげる意図ではありません)

もちろん、私自身も今後は意識しないといけませんね。
自戒を含めて書かせてもらいました。

それでは、失礼しました。
Posted by USHIZO at 2007年06月07日 02:17
「カレーの歩き方」というタイトルと、不特定多数が手に取る、コンビニエンスストアの書籍コーナーにもおかれる「雑誌」という媒体の性質において、たしかにたあぼうさんの懸念はよくわかります。

ボクのような人間にとってはとても面白い内容であったので、キャッチーであるとか部数であるとかの問題もありましょうが「インド料理」等の括りでタイトルを付ければよかったのかもしれない、と感じました。

タイトルのあとに記事内容ありだったら、、、
たあぼうさんと同意見です。
Posted by はぴい at 2007年06月07日 09:46
作り手は作り手で、長く続けている中で再三再四のカレー特集でしょうし、読み手は読み手で、ずっと追いかけている人もいれば、一期一会の人もいるでしょうからねぇ。
モノ作りを長く続けてゆく上で、避けては通れない問題なのかなー、なんて思いました。

でも、括り方うんぬんはさておき、案外、こういうマニアックなところから、いきなり火がつくのかなーとも思ったりします。
あともう1〜2人、メディアでビリヤニだと言い出したら、あとは早いのかなとか。
って、無責任なことばかり書いてごめんなさい。
Posted by はまのひろちか at 2007年06月07日 15:27
>USHIZOさん

ははは、お気遣いありがとうございます。元横濱カレーミュージアム名誉館長の小野員裕さんが私信スタイルでカレー屋さんを紹介するのが得意なため、ちょっと真似した次第です。まだ面白く書けませんけどね。

USHIZOさんのブログはマニア向けになりすぎず、すごくいいバランスで続けていらっしゃると思いますよ〜。

>はぴいさん

まさに、はぴいさんくらいカレーやインド料理への造詣がある方にぴったりだなという印象を受けました。

もう少しライトなカレーファンは、頑張って背伸びしないと読めないかなぁ…と。内容自体は立派なものなんですけどね。

>はまのさん

クリエーターの方のコメントだけに重みを感じます。たしかに、複数メディアがビリヤニを騒げばそうなるかもしれませんね。ぴあも騒ぐかなぁ…
Posted by たあぼう at 2007年06月07日 20:42
dancyuは毎号買ってます。
で、今号を読んでみましたが
まあ確かに路線がマニアックですねw。

僕的にはあまり気にならなかったのですが、
「カレー」という括りではなく、「インド料理特集」って括りだったら
カレーにあまり興味のない読者も食いつきやすかったかなぁとも思いました。

今年はラニャーナ(でしたっけ)で梅雨が飛躍的に遅れ、猛暑が予想されるらしいので、
この時期にカレー特集を組むのは
ある意味正解かもしれませんが・・・。



Posted by samurai at 2007年06月09日 08:44
いつも拝見させてもらってます。

いつもは読まないdancyuですが、今回は読んでみました。
確かに記事はカレーというよりインド料理といった内容ですね。

万人向けに記事を作ると内容が浅いものになってしまったり、こだわると一部の人にしか受け入れられなかったりと難しいところではないかと…(^^;


個人的にはインド料理としてのカレーを中心に今は食べ歩いているので、とても参考になりましたよ。
でも、一番参考にしてるのは、このブログなんですけどね(笑)
Posted by ひかる at 2007年06月09日 09:08
>samuraiさん

カレーとインド料理のどちらが反響が大きいかといえば、おそらくカレーだろうと考えると、タイトルは納得できます。内容もそれぞれ立派です。

でもsamuraiさんが感じられたとおり、マニアックに過ぎたかなと思いました。

>ひかるさん

ええ、最も多くの人が読むという「さじ加減」は本当に難しいと思います。

dancyuの今回の特集について言えば、カレーに関心が強く、食べ歩きをしているくらいの人にいいのかな?と感じました。ひかるさんにはぴったりだったかもしれませんね。
Posted by たあぼう at 2007年06月09日 18:51
私的には、ど真ん中のストライクでした。
つまり・・・間違いなくマニア向けですね。
と言っても私はカレーマニアと言うよりインドマニアですが。
Posted by サントーシー at 2007年06月09日 23:11
今日、やっと買って読んでます(笑)。

インドと日本の店の料理と、家庭のレシピを同格に重視している点など、最近の流行に会っていますね。

ただ、ビリヤニが注目株というのは、やや強引で、たあぼうさんのご意見に同感です。

去年の南インド特集も、騒ぎすぎとも感じましたが、ローカロリー趣向などの確かな背景がありました。

しかし、日本で炊き込みご飯が流行しているとうわけでもありませんからね。
日本では、白米の人気は根強いですが、カレープラフはおろか、ピラフ自体の人気も低下している気がします。
Posted by 辛党のおっさん at 2007年06月09日 23:27
>サントーシーさん

サントーシーさんほどのインド通をうならせるものがあったわけですね〜。実際、内容は立派ですよね。それだけにもう少し取っつきやすく調理してくれればと思った次第です。

>辛党のおっさんさん

ありがとうございます。

「dancyu」カレー特集の最近の2号は、いずれもインド料理に精通する渡辺玲さんが大活躍しています。だから本格インド料理が前面に出るのは当然といえば当然なんですよね。

ただ、カレーが「好きな食べ物の一つ」くらいの読者とは、肌感覚が違わないかなぁと思いました。しょせんは「余計なお世話」ですけどね(苦笑)
Posted by たあぼう at 2007年06月10日 18:55
はじめまして。
お店をよく知らないので、行く前の参考に
させていただいております。この場を借りてですが、感謝しております。

さて、くだんの記事ですが、まだ頭の記事を読んだ程度ですが、かなり興味を引かれました。
ビリヤーニの記事なんて、まず他の雑誌ではありえないし、そこまで突っ込めるのもDancyuだからじゃないかとも思ったりします。

カレーという括りには確かに無理やりさが見えますが、それもあえてやっているような気がしました。インド料理、というとキャッチーさが減ってしまうと思うので、あえて意識的にカレーと言ってるのではないかと(いや、勝手に思ってるだけですが)。

先日インド料理教室を受講したのですが、ここのところ人気がすごくなって、キャンセル待ちが大量にでてしまうとか聞きました。
北が圧倒的に多いですが、あまりその手の店が無かったところ(地方都市の住宅街とか)にも最近インド料理店が出来ていて、意外と客が入っていたりします。
そういうのをみると、一般の人も、かなりカレーに対して意識が変わってきているような気がします。
また、薀蓄が好きな日本人(美味しんぼとかがヒットして、そのネタでデート時に薀蓄をのたまう人が多くなったとか)としては、むしろこのくらい読者を突き放したくらいの方が受けるのかも知れません。

と、ぼくは感じたので、ご心配されているようなことはあまり気にしなかったのですが、、、マニアだからなのかどうかは良く分かりません(汗
Posted by kfuji at 2007年06月11日 09:10
kfujiさん

書き込みありがとうございます。インド料理よりもカレーの方が掴みやすいとのお話、仰るとおりです。僕も特集を組むならカレーがいいと思います。ビリヤニを真っ向から特集で組むとしたらdancyu以外は難しいだろうというのも同意です。

一方、一般の方のカレーに対する意識、これは僕は分かっていません。お話しいただいた内容のことが津々浦々にあてはまるとすれば、今回の特集は正にぴったりですよね。

そこまでは到達していないんじゃないかな?というのが僕の感覚です。根拠はありません。

今回の文章でご不快にさせてしまったとしたらおわびします。
Posted by たあぼう at 2007年06月11日 22:50
雑誌は売れてなんぼで内容が不満なら買わなければいいのです。一回インドに行ったからといっても貴兄は所詮素人ですー貴兄も一度行っただけでオススメ度を付けるのは失礼ではないですか。
Posted by 通りすがり at 2007年06月14日 19:03
通りすがりさん

貴重なご意見ありがとうございます。仰るとおり私は素人です。星印を付けるのは、お店の方に失礼というご指摘もその通りだと思います。そのあたりは自覚しているつもりです。

そのうえで、いくらか弁明もさせてください。

一度訪れて味に納得がいかなかったお店については、私は紹介する際に再訪するようにしています。それでも気に入らなかったお店は、このブログでは執筆していません。

したがって少なくとも掲載したお店については、タイトルの通り「お気に入りのカレー屋さん」であるとご理解ください。味の部分についての評価は、すべて★を3個以上にしています。十分においしいと考えているからです。

そのうえで★の数にばらつきがあること、これが失礼に当たるというご指摘であれば、その通りです。

それでもあえて付けることにしています。★などの目安を付けず、読んでくださる方が記事の全文を読まないと、私がどのくらい気に入ったのかが分からないという形式にすると、今度は読んでくださる方に労苦を強いることになると考えているからです。

極端な話、私の文章など全く読む気はないが、手っ取り早く私がどのくらい気に入ったかを知りたいという方は、星の数だけでご判断くださいませ、という考えです。

この点については、お店と読んでくださっている方の利便性が相反する面があります。どちらに重きを置くかと言えば、読んでくださる方に重きを置きたいと考えています。

異論はあるかと思います。甘えだと言われればそれまでです。しかし、当初からの運営方針として変更するつもりはありません。
Posted by たあぼう at 2007年06月14日 20:20
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