というのも、「まだまだマスメディア、とりわけテレビの影響力は圧倒的だなぁ」と思わずにいられない場面に遭遇したからです。
■スーパーニュースの放送後、1万ものアクセスが
8月16日の夕方以降、拙ブログのアクセス数が跳ね上がったのです。16日のユニーク・アクセスは9861! 普段の3倍くらいでびっくりしました。
特に、普段は1日数十ページビュー(PV)程度のカレー革命とKouenji Indiaの閲覧が、1000PVを超えている。それもYahoo!の検索から来た方がものすごく多い。このほか、西荻窪のお店を探している様子がうかがえました。
原因を調べたところ、どうもFNN系のスーパーニュースが「激うま夏カレー」という企画を8月16日に放送したことのようです(西荻窪はY's cafeを探していたわけですか…)
主婦の方などがテレビで得た情報の知識を深めるためにネットを活用したんだろうな、と想像できます。GoogleよりYahoo!からの検索が圧倒的に多いあたりも、ライト・ユーザーであることがうかがえます(いらっしゃいませ〜、これを機にごひいきに)。
同時に、ネットのヘビー・ユーザー、あるいはかなりのカレー好き、または食べ歩き好きの方を除くと、ネットでカレー屋さん情報なんて見ないんだなあ、ということもわかってしまいました。僕のブログの影響力はその程度。かなしー (^_^;)
■たいていの人はものぐさ、自分から情報を集めない
ところで、この「かなり好きな方以外はネットを見ていない」という話、マスメディアとネットの関係のすべてに援用できるでしょうか? 微妙ですけど、割と多くの場合に当てはまるんじゃないかな? と思っています。
だって、僕を含むたいていの人間は基本的にものぐさだから。何かきっかけがあって、しかも「面白そう」と思って初めて、情報を集める気になります。ネットを日常的に使うリテラシーの高い方には想像しにくいかもしれませんが。
で、多くのものぐさな人に「調べよう」と思わせるきっかけ作りとして、テレビというメディアがいかに優秀かということを、今回のケースは象徴しているように思います。同時に、時間の制約から詳報できないテレビの限界を、スペースの制約はないに等しいネットが補うという、きれいな役割分担の構図もよくわかります。
近ごろ(実際は「この10年ほど」くらいですか)、ネット好きな方が多い論壇では「ネットがマスメディアを駆逐するか」といった議論が盛ん。でもそれらとはかけ離れた、つまらない結論だなあ、僕のは(補足すると、雑誌のようにマスというよりターゲット・メディアとなりつつあるものは、ネットが駆逐する可能性があると思っています)。
■広範に伝播させる機能はネットに備わるのか
しかも、このつまらない結論の関係は当分続きそうな気配です。広範に(半ば強制的に)伝播させる機能が、ネット側になかなか備わらないからです。
あ、もちろん、技術的にはいろいろ仕組みが出ています。かつてのプッシュ配信がそうでしたし、今ならRSSとRSSリーダーも近い存在でしょうか。でも、前者は全く流行らずじまい。後者もライト・ユーザー層が使うほどはこなれていない印象を受けます。
あとはブログのトラックバック機能ですか? でも拙ブログにいただくトラックバックのうち、こちらを紹介してくださるものはわずか。伝播しません(笑)
どの機能も、もう一段、あるいは二、三段の落とし込みが必要なんだろうなあ。具体的に言えないのが情けないですが。
僕はむかしWebページを作る時、「特定ジャンルのレストラン情報なら、従来型のメディアに負けないものを作れるかも」と、密かに野望を抱いていました。だから、このつまらない結論を覆すような話が、優秀な方々から出てこないものかと期待しています。よろしくお願いいたします。
タグ:メディア論(笑)
テレビが有している「広範に伝搬させる機能」というのは,これまでのテレビが担ってきた「お茶の間製造装置」としての歴史的蓄積がもたらしているものだと個人的に思っています.
テレビは戦後からつい最近まで僕らの最大の娯楽であり,話題の中心でした.「ねぇねぇ昨日の●●観た?」という会話を媒介にして,家族や仲間,同級生などといった小規模コミュニティの結びつき(またはその形成)を強めてきました.その歴史は日本でももうじき半世紀に及ぶわけで,それはおおきな強み.でも,テレビがネットでストリーミング配信による視聴が可能になったり,またはPCのディスプレイとテレビのディスプレイが統一されたりしたとき,テレビは「広範に伝搬させる機能」という優位性を自分たちだけのものとして持っていられるのでしょうか??
現状でネット対テレビ,という議論はたあぼうさんの言うように,ナンセンスなものとボクも考えます.
ただ,前述したような状況が今後本格化し,テレビ発の情報もネット発の情報も共通の土俵の上で配信するようになったとき,どういう勝負がなされ,どういう流れが生まれるのか.これは非常に楽しみですね.
それは,大資本を有し,大企業の広告収入に支えられているテレビ局発の情報と,小さな組織や個人が収集しているネット発の情報との勝負でもあるわけで.
って,駄文だー.
コメントありがとうございます。
そうですね、ご指摘いただいたストリーム配信による伝播は取り上げるべきでした。
akuzokenさんには釈迦に説法ですが、技術的にはIPマルチキャストなどを使えば、CS放送(スカパー!など)の規模まではすぐに実現するでしょう。もう実現しているのかな?
技術的な意味でのマスメディアの優位性というのは、早晩揺らいでもおかしくない。
むしろ問題は、人間の側の使い方だと僕は思っています。ネット上でテレビ的な垂れ流し型の使い方を好むユーザーが、なかなか増えてこないからです(いないわけではありません)。10年ほど眺めてきて。
ここが変わらない限りは今の関係が続くんじゃないかな、という印象を持っています。
では、ユーザーがあまり増えない原因は何でしょうか?
・パソコンとディスプレイという形態がいけない?
・テレビと似た機能のものはこれ以上不要?
・そもそも世の中の流れとして、マスに垂れ流すものが求められなくなりつつある?
・あるいはこれらすべて??
このあたりが僕はよくわかっていません。わかっていないから、「いや、単に慣れの問題で、慣れれば人は使うようになるはず」という見方をしてもいいんですけどね。根がネガティブ(おやじギャグ炸裂)だからかなぁ。
ちなみに、垂れ流し型ではなくて、オン・デマンドの需要の可能性は、別に検証する必要があると思っています。オン・デマンドには割とポジティブな姿勢です。
お久しぶりです。
青森に転勤で行ったマサです。
今でも、時々、訪問していますよ。
(懐かしいです。)
スーパーニュースですか?
実は、青森にはフジ系列の民放がありません。
だから、全く見れないんですよ〜。
(ケーブルTVとか契約すれば別ですが)
「めざましTV」も「あるある大辞典」も
「月9ドラマ」も「電車男」も
高視聴率番組には縁がない生活なんですよね。
(タモリの「笑っていいとも」は夕方5時からの
放映です。)
(青森って、青森って〜。)
マサでした。
今度、東京出張があるので
どのカレーを食べようか悩んでます。
日本橋だから「シンセリティー」に
なっちゃうかな?
お久しぶりです。テレビ東京系はともかく、フジ系がないとは意外でした。などと言ったら青森の方に失礼かな (^_^;)
もっとも、特集企画枠は関東圏ローカルのことがあるので、ごらんになられた方は限られているかも知れません。それでも僕のブログにとっては大きなインパクトの訳ですが。
僕もパーソナルメディアを持てば持つほどマスコミの認知力、情報流通力の強さを感じるようになっています。
ただ、自分メディアを持つ前と後ではマスコミの力を感じる感じ方が違ってきているように思えます。
役割分担のようなものを勝手に感じる今日この頃です。
なるほど。研究者の間では自明のことであるわけですね。勉強になります。学生時代に勉強しておくんだったなぁ (^_^;)
後段の、ご自身がメディアを持つ前後で、マスメディアの影響力が違うふうに感じられるようになったというお話は興味深いです。
それこそが知識集積場としてのネットの効用を端的に示しているのではという気がします。「具体的に何よ?」と言われると、うまく言えずにもどかしいですが。
はは、これは僕もまったく同じ心境です。
「しょせんマスコミなんて」と単に冷ややかになるわけでも、逆に「マスコミだから!」と単に信奉するわけでもない。
たあぼうさんがおっしゃるように、このもどかしさこそがパーソナルメディアを持つことの効用なんでしょうね。
あまり答えをいそがずに、自然とぽろりと出ることを期待しながら今日も更新する所存です(^_-)
いろいろ知見をいただきありがとうございます。
あと僕が関心をあるのは、そういったパーソナル・メディアを持たない方々の反応(効用?)の変化です。
ブログなどでだいぶ敷居が下がったとは言え、自分からメディアを持とうとする方はまだ少ないわけで。
もっぱら情報の受け手である方々に対し、マスメディアの力は今後も大きいのか、大きいとしたらどの範囲まで(認知までか、影響も大か)なのか、そのあたりを知りたいと思っています。