台東区浅草1-35-8 (携帯地図)
Tel:03-3841-1681
予算:730円〜1200円くらい
味 :★★★★
辛さ:★★★
量 :★★★
横濱カレーミュージアム顧問を務める小野員裕さんが、名著「東京カレー食べつくしガイド104/380店」で「最高峰に近い味」と高く評価していたカレー屋さん。御徒町にあった名店「モーティマハール」で修行を積んだご主人が、独立して地元の浅草にお店を開いたそうだ。
店構えは街中によくあるカレー屋さんの風情。でも、ちょっとカレーにうるさい人がメニューを見ると「ただのカレー屋じゃないな」と気付く。香辛料を表す「マサラ」など、文字が踊っているからだ。
さて、そんな違いを感じるインド風カレー屋さんに初めて出かけた時は、僕はたいていチキンカレーを選ぶ(…って直前に訪れた「すぱいす」では選んでないか。やばっ)。インド風カレーの基本はなぜかチキンということになっている。僕だけじゃなくて、小野さんやマッキー牧元さんなどの著名人もそう言っていたし。
ということで、「チキンカリー」(880円)を普通の辛さで選んだ。辛いカレーが好きなあなたはもっと辛くすることもできる。
一緒に訪れたお友達に、東京カレー食べつくしガイドを見せていたら、お店の方が「その本は何?」と尋ねてきた。「初めて見た」そうだ。噂通り、掲載許可を全く取らずに載せた本だったんだなあ (^_^;) 夢屋は絶賛しているからいいけど、酷評しているお店や事実関係が間違っているお店が一部あったし。熱い文章だから好きではあるんだけど。
なーんて言っていたら、カレーが到着した。では、いただくとしますか。
さらさらのカレー・ソースに、大きな塊のチキンがごろんと入っている。すごくシンプルな見た目だけど、これをライスにかけ、口の中に入れると…
美味しい。
インド風カレーの基本となるクミンやカルダモンといった香辛料がソースにバランスよく溶け込んでいる。十分にスパイシーなのに、一つ一つがよくまとまっていてクセの強さを感じさせない。すいすいと食べ進んでしまう。
分かる人にしか分からない表現で恐縮だけど、いかにも小野さん好みのカレーである。MCC食品のレトルトカレーに小野さん印のチキンがあるけれど、かなり雰囲気が似ている。小野さんが相当意識したことがうかがえる。
欲を言えば、旨みがもう少し長く尾を引いてくれると嬉しいなあ。すいすいと食べ続けてしまい、「あ、もう終わっちゃった」って印象になってしまうのだ。お子ちゃまな僕の舌では。