千代田区神田淡路町2-8 (携帯地図)
Tel:03-3251-5511
予算:730円(カレー)
味 :★★★☆
辛さ:★★
量 :★★☆
夏目漱石が「かきあげ」をこよなく愛したという、老舗の洋食屋さん。建物はありふれたビルになっちゃったけれど、味の方は伝統を受け継ぐ姿勢を堅持している。漱石の時代よりはだいぶ後にできた「カレーライス」(730円)も、昔ながらの懐かしい味を楽しませてくれる。
カレーを注文すると、実に手早く出してくれる。今どき珍しいくらいの自然なうこん色?をしたソースが、ライスや目が覚めるほど綺麗に赤く染まった福神漬けとともにやってくる。今どきの凝りに凝ったカレーとは正反対の、「ザ・カレー」と呼びたくなる風貌だ。
でも、この雰囲気に仕上げるまでの手間暇はかなりかかっている。スライスしたタマネギにニンニクやショウガなどを混ぜて丁寧に炒め、これに2種類のカレー粉と片栗粉を加えて混ぜる。できあがったルーにブイヨンなどを投入し、さらにウスター・ソースや福神漬けの汁などを混ぜる。これらが味を馴染ませるのに一役買っているんだそうだ。
ま、ご託は程々にして、いただくとしますか。
一見なんてことのない外見と同じように、食べてみるとなんてことのない味に思える。安心して食べられる「おうちのカレー」という雰囲気だ。でも細かいところで、調理が下手な僕には真似できないんだろうな、と思わせる技が光っている。
例えば、最初にスライスしたものとは別に、後から加える具としてのタマネギ。しっかりと炒めてあるのにシャキシャキ感を保っている。このバランス感は素晴らしい。代々受け継いできた老舗の技なのだろう。
ライスカレーと呼びたくなるようなカレーが食べたいな−−そう思い立った時に訪れたいお店だ。
たしかに、建物に雰囲気がなくなっちゃったのは残念ですよね。
味そのものは以前とさほど変わらないように思えるのですが…