墨田区吾妻橋2-7-8 (携帯地図)
Tel:03-3622-7857
予算:5000円くらい〜
味 :★★★★★
辛さ:★★★
量 :★★★☆
600軒目に選んだのは、1913年(大正2年)に創業した吾妻橋の洋食屋さん。選び抜いた良質の素材で作ったオムライスやカキフライで名高い。もちろん、我らがカレーも逸品だ。中でも「比内地鶏のチキンカレーライス」(5250円)は、注文を受けてから作り始める極上の一皿なんである。
レストラン吾妻には、できれば夕方早めの時間帯に1人か2人くらいの少人数で訪れたい。1Fのキッチン・カウンターに座れば、3代目の竹山正昭シェフが、料理を作る合間に軽妙かつ品のある会話で僕たちを楽しませてくれる。一段と楽しいひとときを過ごせるわけだ。
それでは、注文に移りますか。まずは、かのモナコ公妃グレースが愛飲したという「グラスワイン」(525円)を飲んで気分を盛り上げよう。飲み口の良いカリフォルニアワインだ。これと一緒にオードブルをいただく。最適な塩加減の生ハムや、自然な甘みがたっぷりと詰まったプチトマトを口にするうちに、自然に頬が緩んでくる。
オードブルを食べ終わった頃をしっかりと見計らって、10時間かけて作っているという「コーンポタージュ」(1575円)を出してくれる。スプーンですくって飲むたびに、軽い酸味と深みのある旨みとが舌を刺激する。勢いよく飲み干してしまった。
この後は、しばし待ちの時間になる。なにせ注文を受けてから作り始めるカレーだから。ワインやコーンポタージュと一緒に注文したため、ある程度は調理をしてくれてはいるものの、それでもすぐ完成というわけにはいかない。ホールの店員さんは心得たもので、このタイミングで水を注いでくれたり、雑誌を手渡してくれたりした。
まあじっくり待つとしましょう。おいしいカレーにありつくためだもの。のんびり本を読んでいると、竹山シェフがにっこりと笑ってライスを盛ったお皿を目の前に置いてくれた。続いて食べ放題というピクルスがやってきて、そして最後にお待ちかねのカレーがやってきた。いただきます。
「カレー好きの方のようでしたから、少し辛めに仕上げました」と竹山シェフは僕に語った。確かに、洋食屋さんのそれにしては少しスパイシーかもしれない。でも、むしろ際立つのは上品かつ濃厚な旨み。丁寧に出汁をとっていればこそ出る味だろう。
具はシンプルで、タマネギと鶏肉がほとんど。とはいえこの二つがまた素晴らしい。タマネギはほどよく歯ごたえが感じられる程度に上手に炒めてある。比内地鶏は弾力があって、ゆっくりと噛むと鶏肉の持ち味が染み出てくる。カレーの濃厚な旨みにも全く負けていない。
これらの味を楽しんでいるうちに、お皿にたっぷり盛られていたはずのライスがあっという間になくなってしまっていた。もちろん、僕のお腹に収まったわけだけど(^_^;)
ところで、竹山シェフは、ほかのお客さんの料理を仕込む最中も、僕を含むカウンターに座った面々の様子に気を配っている。手が空いた一瞬を見計らってはこちらへと顔を向け、にっこりと笑みを浮かべて語りかけてくれる。
僕が勢いよくライスをお腹に入れていたことも、しっかりと観察していた。「なかなかの食べっぷりですね。もう少しライスを追加しましょう。ピクルスも好きなだけ食べてください」と声がかかった。このホスピタリティは、カウンターに座っていればこそ受けられる。ありがたくライスをお代わりさせていただいた。
ほどなく、お代わりのライス、カレー・ソースとも空になってしまった。いやあ、満足満足。ごちそうさまでした。
しめて7350円というお値段は、正直お高い。それでも、またカウンター席に座ってみたいと思わせるだけの魅力が詰まったお店だった。いつか、隣に座った社長さんらしき方のように、時折ふらっと訪れられるような身分になってみたいなぁ(^_^;)
雑誌で読んで、えらく高いな〜と思った1品です。
高級カレーとしては、資生堂パーラーの一万円カレーも食べましたが、
あれは高級食材の伊勢海老とあわびを丸ごと一つ使い、
それらをフランべするというショー的要素があったので納得でしたが、
チキンカレーが5千円超というので二の足を踏んでいました。
でも記事を読んで、今度いい事があったら行ってみようと思いました(^ ^);
節目の600軒目は吾妻…。
すみません不勉強で。初めて知りました。
ホスピタリティと素材を大切にしているのが、記事からも
十分に伺えました。
もうすぐ創業100年ですか!すごい老舗なんですね。
何か記念日でないと訪問できそうにありませんが、
候補のひとつに加えさせてもらいます。
またひとつの金字塔、おめでとうございます!
とても多忙だと思いますが、これからもご自愛しつつ、
ご自分のペースで私たちに、カレーの魅力を教えて
いただければ幸いです。
それでは、失礼しました。
いつの日か、食べてみたいと思います。
是非ここでオフ会を!といえないところが
貧乏サラリーマンの辛いところですがww。
余談ですが、僕の大学時代の先輩がこちらでバイトをしてました。
一度だけ食べに連れて行ってもらった時がありますが、
カレーはいただけませんでした。
次は行ってみたいですね!
おめでとうございます。
これからも素敵な紹介楽しみにしています。
5250円のカレーはお高いですが、ぜひ何かの記念にいただいてみたいです。自分はようやく100軒ですが、それではまだ早いかなあ。
老舗洋食屋さんといえば、先日、煉瓦亭から暖簾分けされた銀座一丁目のお店に伺いました
ランチ限定、ポークカツレツカレーのメニューについ誘われて
こちらのお店は庶民に優しいお値段ですが、カウンター席でいただくそれは、しっかりと伝統に裏打ちされたお味でした。
ご年輩の方中心のお店の方々から伝わるホスピタリティにも、積み上げられた実績による安心感を感じることができました。
これからも楽しみにしています。どうかを無理をなさらず、素直な喜び、感動を伝えてください。
またカレー連れて行ってください。
かねてよりこちらのブログを愛読しておりますが、コメントさせていただくのは初めてです。
600軒とはすごいですね。おめでとうございます。
しかもその記念すべき600軒目が私の家の近所にあるレストラン吾妻だとは!
近所にありながらお値段的には遠いお店で、一度しか行ったことがないのですが、お店の雰囲気やホスピタリティーなどはまさにおっしゃる通りですね。
一度目はやはり看板メニューのオムライスとポークソテーを注文してしまいましたが、カウンターの後ろに張ってあったチキンカレー5,250円はそのときもものすごく気になりました。
次回はぜひチャレンジしたいです。
他にもこのブログで紹介されているカレー屋さんに主人と2人でせっせと足を運んでおります。
どこも本当においしいですね。
これからもますますおいしいカレーをたくさん食べてブログで紹介してください。
楽しみにしています。
おもてなしやサービスのインパクトも含めてすてきな情景が浮かんできます。
価格はしますが、それだけの1品。ぜひ記念の日にでもいただいてみたいと思います。
これからも、楽しみに記事を拝見させていただきます。
600軒目はどこになるのかといろいろ想像してましたが、なるほどこんなお店がまだ残っていましたね。
気軽に、という訳にはいかないでしょうが、★5つの味は、是非味わってみたいですね。
最近、安めのカレーばかりで、あまり食べ歩かなくなってしまったのですが、一度くらいは高いカレーも食べてみようかな…と考えちゃいます。
でもなんか機会が無いとなかなか行かないんですよね。
カレー単体だと、3000円くらいまでのカレーしか食べたことないです。
(^^;)
すてきなお店を600軒目に選んでいて、
さすが、たあぼうさん!と思いました(^^)
これからも、たあぼうさんの書く記事を楽しみにしています。
僕も正直高いなぁと思っていました。でも、訪れてみないと分からないことは、やっぱりありますね。
資生堂パーラーで1万円カレーを食べているなら大丈夫。こちらのカレーはその半額で済みますから(^_^;)
>USHIZOさん
カレーではあまり話題に上がらない洋食屋さんですから、ご存じなくても不思議ではありませんよ(^-^)
カレー以外の洋食が充実していますから、奥様と記念日に訪れる候補にされるといいかもしれませんね。
>RAKUさん
ありがとうございます。レストラン吾妻はRAKUさんのようなダンディな大人にこそぴったりのお店だと思いますよ。
>samuraiさん
僕もここでオフ会を開く勇気はありませんねえ(^_^;)
それにしても、レストラン吾妻をとっくにカバーしているあたり、さすがsamuraiさんですね。
>華麗OJIさん
ありがとうございます。軒数に関係なく、食べてみたいと思ったときに訪れるのがベストだと思います。数を増やすことばかりがカレーの楽しみ方ではありませんし。自戒を込めて。
>dolphinkickさん
新富の煉瓦亭に訪問されたのでしょうか? 僕は最近、煉瓦亭の本家の方に訪れました。長く続く正統な洋食屋さんという雰囲気ですよね。
>Andyさん
ありがとうございます。そうですね。ぜひスケジュールを合わせて行きましょう。
>meguomeguさん
初めての書き込み、ありがとうございます。様々な方にコメントを寄せていただけるのは、本当にありがたいことです。
今後、どれくらい続けられるかというとあまり自信がないのですが、過去に紹介したお店を含めて参考になれば幸いです。
>かりん☆さん
ありがとうございます。そうなんです、温かくもてなしてもらって、良いひとときを過ごすことに価値を見いだせれば、値段はきっと気にならないと思います。ぜひ、何かの日にご訪問ください。
>Ochiさん
ありがとうございます。はい、ゴージャスなお店は、まだまだ積み残しています。営業時間帯が厳しかったり、一人でふらっと入りにくかったりしまして。
ちなみにレストラン吾妻の自慢のコーヒーは、1050円でした。
>ZOTTさん
ごぶさたしています。たしかに、機会がないと食べにくいですよね。久々にみんなで集まる機会など設けられるといいですね。
3000円まで出していれば、5000円はすぐに出せると思いますよ(笑)
出尽くしどころか、まだ5つ★の店があったんですね。
今後、ますます楽しみにしています。
ところで、また外しましたw
銀座や麻布の肉屋系を予想しましたが、洋食屋でしたね。
5,000円のカレーと言えば赤トンボよりコストパファーマンスは断然良さそうですね。
カレー+辛いもの好きなら、どのように辛くしてくれるのかも聞いてみたいところですw
ありがとうございます。また、先日はありがとうございました。最近少々バタバタしていますが、また何かのタイミングでカレーを食べましょう。
>おっさんさん
世の中にはいっぱいお店がありますし、ノーヒントで当たったら凄すぎです。おっさんさんがされているように、少しヒントを出してクイズ形式にした方が面白いですかね。
今回に関していうと、ここにするか、六本木のお店(ニルヴァーナに非ず)にするかでかなり迷っていました。しかし、六本木のお店は予約が困難なため、あきらめました。
銀座や麻布のお肉系は考えていませんでした。今後の参考にさせていただきまーす。
毎回、相変わらず楽しみに拝見させていただいております。
それにしても、私が初めてこちらのリンクに飛んだ時 確か「お気に入りのカレー屋さん300」だったはず…
たあぼうさんの変わらない博識・継続力に、ただただ感動しております。
これからも、たあぼうさんのお人柄を感じられるステキなカレーブログ・楽しみにしております♪
1000もリアルになってきましたねこれは〜☆
600件達成おめでとうございます!
かねてよりサイトを毎日のようにチェックし、「お店選び」と「行った気妄想」に活用させて頂いておりましたが、隣に座っている上司にたあぼうさまが“結構身近な人”だと教えて頂き超ビックリ。
吾妻は家から歩いて行ける距離ですが、予算的に結構ハードルが高く、ご近所すぎることも災いして、なかなか行けないです。
でも記事を読んで、ものすごい吾妻な気持ちになってきたので、近日中に絶対訪れたいと思います。
おめでとうございま〜す。
最近はもっぱら自作ですが、カレー食べてます!
これからもお身体に気をつけて美味しいお店紹介してくださいね。
カレーに特化され600軒(※きっとお蔵入りしている軒数も加えると結構大台?だったりは〜しませんね)。これからも胃袋にご留意され、上へ上へと積み上げていってくださいね。
(※私も時同じくして浅草のインド料理ネタでした。明日はたあぼうさんにおすすめいただいた「武蔵浦和ガルーダ」篇です)
いつもご覧くださり、ありがとうございます。そうですね、2年以上前からコメントをいただいています。たんちゃんさんや、みなさんのコメントをいただいていたから継続できた面があります。
東京縛りにしたことが響いて、1000はさすがにきついかなぁと思っています(^_^;) 今後どのくらい続くかは分かりませんが、よろしくお願いいたします。
>さぬきうどんさん
はじめまして。コメントありがとうございます。ははは、身近な方でいらっしゃいますか。では、地下鉄か何かで顔を合わせていたかもしれませんね(^_^;)
吾妻に訪問されたら、ぜひご感想もお寄せくださいませ。
>kanamiさん
ごぶさたしています。そして、ありがとうございます。
自作カレーをたくさん作られているのですか〜。素晴らしいですね。一度味わってみたいな、なぁんて思いました(^_^;)
>エスニカンさん
600軒へのお言葉に加え、体に対するお気遣い、ありがとうございます。最近はお恥ずかしながら体調がボロボロでして(胃袋は割とマシなのですが)、お言葉が身に染みました。
ガルーダのお話、楽しみにさせていただきます!!
区役所にほど近い「レストラン吾妻」横目に何度通り過ぎたことか。外見だけであなどっていました。来週は夫の誕生、ちょっと奮発してみようかとたあぼうさんのコメントに喚起。それにしても、躑躅祭りの根津神社のあとラ・カンパネラに立ち寄れない寂しさは・・・。再開情報を待ちしています。
旦那様のお誕生日ですか。カレー以上に有名な料理がいくつもあるお店ですから、ぜひいろいろ楽しんでくださいませ〜。
カフェ・ラ・カンパネラの再開、あるといいですね。
完全に影響されております。笑
どうぞふらっと力抜いてへらっと楽しんでカレーの奥義をずずっとご教示いただけますと幸いです♡。身体にはくれぐれもお気をつけてくださいね。
ありがとうございます。正直、そろそろ限界かなと思うことがしばしばありますが、今後ともごらんいただければ幸いです。
ありがとうございます。そうですね。必死さが漂うと、読み手の方も疲れさせてしまいますよね。気の向くままでやっていきたいと思います。